2014年12月24日水曜日

寒波襲来が一休みした、ある晴れた日に~その②~



八千代町の“感動的な”産地直売所から引きあげて自宅付近に戻ってきたのは、午前1130分頃で、昼食と夕食の食料を買うために近所のスーパーに立ち寄った。陽光は穏やかに射していて、これはどうも摂氏1213度にはなってきているらしく暖かい。午前中の“徳”のせいか、夫婦間の会話も和やかで良い感じである。クリスマス前の休日は、誠に平和裏に事が進んでいた。

 そういえば、イチロウは確か100㎞以上のロングライドに出かけると言っていたな、彼の動向が気にかかる。“徳も積んだことだし、午後からでもひとっ走りしてみるか”などと、カミさんと食料を物色しながら独りで能天気に考えていた。

 正午過ぎに自宅に戻り、昼食の準備をしながら、何気なくカミさんに「買い物もあらかた済んだことだし、午後から暖かいうちにバイクに乗ってこようかな」と伝えたところ、カミさんが「ええー」という。

 新妻の牧瀬里穂ちゃんが「ええー」と目を潤ませたのならば、夫としても新妻の手を握り「いやいや、済まぬ済まぬ、考え直すよ」という返事も可能なのであるが、こちらは彼女に似ても似つかぬ約20年選手の嫁さんなものだから、こちらの返事も「まあ、そういうな。いいじゃないの」ということになる(笑)。

 「折角、午後からは風呂掃除をカビキラーで念入りにしてもらおうと思ってたのに~。」だと。

 “思ったのに~、と言われても、ちっとも可愛くないねえw”とは思ったものの、“しまった、流石に徳の積み方がリーズナブルすぎたかw、この流れは変えたくないしな。なんといってもクリスマス前の休みだから穏やかにやりたいよな。もう少し徳を積み増しとくか・・・・・・w”と思いなおす。交換条件として、風呂掃除が終わったらバイクで2時間程度自由時間を確保。

 時計を見ると、1215分。“よしなんとか、2時間で始末をつけるか”と昼食もそこそこに作業を開始する。角、目地の部分にカビキラーを噴霧し、スポンジでこすりシャワーで洗い流すことを開始していると、途中で嫁のチェックが入る。「そんなのダメダメ、まず浴室全体に全体にカビキラーをスポンジでつける、天井を忘れないでね、それからタオルかけ、シャワーのホース、角、排水溝には特に気を付けて」「それで1時間放置してね」だとw。

 “げげー、それじゃあ時間が無くなるよ・・・・”“それに浴室全体にカビキラーをつけていると、塩素臭いよ・・・・・。やべー、目に沁みやがってきた・・・・・”。なおも作業をつづけていると、「ハイ、今度は洗面器、椅子もね」だと。とほほ。

 一通りカビキラーをつけ終わったのが、午後120分頃。暫く休息を取り、1時間放置のところを40分に短縮してもらいw、シャワーで洗い流していると、途中でカミさんが交代してくれて、2時20分頃私の作業は終了。慌てて着替えて、バイクにて繰り出す。

 自分が目論んだ出発時間を軽く30分以上遅れてしまったため、その後のスケジュールも考慮して、往復1時間30分程度、午後4時過ぎには帰宅したかった。

 となれば何時ものほぼフラットな道のりで・宮島口折り返しコースとするのが無難であった。ただし、この度はピッチを意識して漕ぐこととする。家を出て、宮島街道を西に進む。クルマの量も然程多くない。所々で信号の足止めを喰らうが、気合が入っているので、両脚に少し負荷がかかっているピッチでペダルを廻していても苦にならない。“誠に今日は身体的なコンディションが良いねなど”と思いながら、ある交差点で信号待ちをしていたら、後方から「どうも~」などと挨拶をして、信号を無視してすり抜けていくバイク乗りがいた。

 “むむ、信号無視はしたらダメでしょ。それはマナー違反!”“これだから、クルマのドライバーに疎まれるんだよ”

 青信号になって、キッとなって後を追いかける。それでも先方を行くその御仁、なかなかの健脚の持ち主であるのと、その後も次々に信号無視を続けくれるのでなかなか追いつけない。すこし間隔が詰まると思うと、交差点で信号に捉まってまた引き離される。ついにどこかで見失ってしまった。

 追跡は諦めて、元のペースで更にペダルを踏む。その日の宮島街道は、久しぶりの陽気のせいか、ランナーも多く出ていて思い思いに走っていたし、バイク乗りも単独で走る者、2-3人で組んで走っている者も多く見受けられた。

 “本日、広島地方はバイク日和かな”と先ほどまでのキッとした気持ちから、次第に平和な気持ちを取り戻すことが出来た。しばらくすると宮島口に到着したが、折り返すには早めに到着したため、もう10分程度先に足を延ばした地点のコンビニを折り返し地点とした。
 
往路:走行距離;18.3km、所要時間;47分40秒、最高速度;32.0km/hr
 
 
 
負荷を意識して漕いでいたため、やや心臓がバクバクと落ち着かず、喉も乾いた居たため小休止を取る。そして飲料水を口にしながら、イチロウの動向をF.B.にてチェックする。

 “なんと、既に奴は折り返しポイントに到着して、今や凱旋途中の様子、順調にロングライド120㎞以上をやり終えようとしていみたいだ”“お疲れさん”。

 何となく“やられたw!”という気持ちと、“お見事、パチパチ”という賞賛と。ただただ、すがすがしい気持ちである。アムンゼンとスコットのお話(南極点到達を競った)ではないけれど、ちょっとした冒険者気分に似た感情を抱く(大げさかw、どうもこの日は色々と感情移入が激しいモノで・・・・・w)。
 
 

 心肺機能が整った状態となったのを見計らい、再び負荷のかかるピッチを意識して復路に挑む。東からの向かい微風を感じながら走行する。復路途中も何人かのバイク乗りとすれ違う。“そうか、ひょっとしたら皆さん、今年の乗り納めのつもりでバイクをだしてきたのかもな”と思いながら、先を急ぐ。但し、信号はちゃんと守って・・・・。

 帰宅時間は、午後410分頃、誠に気分が良く大満足であった。

 
復路;走行距離:18.93km、所要時間;49分01秒、最高速度;33.4㎞/hr

 その後しばらく休憩を取り、病人を見舞いに病院へ向かう。そこで有りがちな会話をして、すこしだけ食事の介助をして帰宅をしたのが、午後7時頃であった。

 晩御飯を取りながら、嫁が自転車のことをいう。「ベランダに置いていては物騒だから、部屋に入れてしまっておけよ」と。“おお、この嫁がそんなことを言ってくれるのかw!本当はそうしたいところを我慢していたのだよ。牧瀬里穂ちゃんには似てないけれど、良いところあるじゃんw!”

 カミさんの気が変わらぬうちにということで、食事を済ませるとそそくさと我が愛車を部屋の中に入れたのであった。犬を室内で飼う事を許可されたようななんだか嬉しい気分であるw。そして、ウヰスキーをチビチビとやりながら眺めて、自動車清掃用のウエットペーパーで、フレーム・タイヤスポークなどを撫でるようにふきふきしたのであった(笑)。

 


“諸兄よ、やっぱ、時々は徳を積んでおくものですぞw!”

 

~終わり~

 

 

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