“しまった! やっちまった、寝過ごした………..” 慌てて布団を跳ね除けて上体を起こしたが、両こめかみが痛む。昨晩、カミさんが用事で外出し、夜遅くまで不在となったのを良いことに、家呑みでリースリングワインを1本開けてしまったのが悔やまれる(笑)。ベッドの脇の窓のカーテンを少し開くと、空はどんよりとした曇り空であった。前日の天気予報では曇り後晴れ、最低気温1℃、最高気温10℃となっていた。流石に寒かった。
“各々方、いざ………..。”
まず最初に自宅前の坂を下り、旧街道沿いに下りるのだが、身を切る風は流石に冷たくて早速両耳が冷却されて軽い痛みを覚える。その割に裏起毛の長パンツ、ジャージは冷気を遮断してくれて誠に快適である。風は遮断してくれるが、汗による湿気は背部から逃がしてくれているようだ。凄い! 最近の繊維素材はよく出来ていますぞ!
休日午前8時前の宮島街道はクルマもまだまばらであり、大型トラックが走っていなかったのは幸いであった。ただし、なかなか体が温まらぬせいか、昨日の大酒によって体に乳酸が貯まったせいか、足腰が重く思うようにペダルが回せず、バイクが前に進まない。信号待ちの間に自転車を下りて、前輪後輪の回転に不具合があるのかしらと、交互に持ち上げて回してみるが、特に問題はなさそうであった。後に、前輪のブレーキの固定レバーを開放にしていることに気が付き、それを閉じると前輪が引っ掛かる。前輪を浮かせて回してみるとどうも軸はぶれてなさそうであった。ブレーキの問題か?結局原因が判然としないまま、前輪ブレーキレバーを開放したままで走行をつづけた。
それにしても、その朝の走行ペースが上がらないため、開き直って所々写メしながら宮島口に向かう事にした。宮島街道を走っていると、単独でバイクを漕いでいるオトコどもにすれ違う。どちらからともなく、会釈をする。これがちょっとしたバイク乗りのマナーらしい。
そして、午前8;40分頃、約50分の走行で宮島口に到着。幾人かの観光客が、まばらにJR宮島口駅から宮島に向かうフェリー乗り場に向かっている。記念写真を1枚撮って、少しぼんやりとした。本当は、もう少し走りたかったのであったが、止むを得ず自宅に引き返す。次の予定があるものだからね。
午前8時50分頃出発。復路もどうも思うようにバイクが前に進んでくれない、漕ぐペダルが重い。己の身体的問題か(二日酔い、運動不足)、目に見えぬ車輪のブレかなど、色々考えながら復路を走った。何人かのバイク愛好家のヒトとすれ違い、軽く会釈をする。
往路も大体50分くらいの走行で、自宅に辿り着いたのが9時40分頃。カミさんも流石に起きており、黙って朝飯を作ってくれる。大急ぎで汗を拭き着替えを済まし、朝食を取った後、クルマで散髪に向かう。予約は午前10時で店長さんにお願いしている。予約時間丁度に店内に入り、10分程度待った後に、店内奥の散髪椅子(正式呼称は知らずw)に案内された。
いつも通うこのお店はユニセックスの美容院で、子どもが通った幼稚園の近所にあるものだから、子どもが幼少のころからカミさんと共に利用させて貰っていた。私の場合は、40代になるころ長年お世話になっていた理髪店が店じまいをされたのをきっかけに、このお店の店長さんに髪の毛を切ってもらう事になった。考えてみれば家族は14年、私にしても9年近くお世話になっていることになる。この店の店長さんは、私と大体同世代の男性であり、雑談が合わせやすいので付き合いやすさがあるのと、技術もしっかりとしているので、髪型については何時もお任せしている。と言っても、もう私の頭髪の場合は切る髪が少なくなり工夫の余地がないのだけれど(笑)。
いつもの調子で、店長さんが私の近況を聞いてくれるものだから、「最近は自転車に嵌っているよ」と話すと、しきりに“それは良いね”などと話を合わせてくれる。「今朝もちょっと宮島口まで走ってきたよ」と伝えると、更に“それはスゴイね。自転車は体に良いでしょう”などと話を合わせてくれている。いつもの両者で交わす毒にも薬にもならない雑談を続けたのであるが、それはそれで寛げて良いものである。
大体1時間程度で、散髪が終了。店長さんに笑顔で別れを告げ、クルマに乗って帰宅したのが、午前11時20分頃。帰宅すると、次男長男が起き出していて、私に向かって笑っている。どちらともなく「オヤジもだんだん額が立派になってるな」と言い声を立てて笑っている。すかさずカミさんが「良いハゲかたしてきたじゃん。良いよ良いよ。もう50だもん。それだけ残っていたら立派・立派。」とフォローになってもいない合いの手を入れる。息子ども、大声で笑いながら「俺たちそこまで直接的に言ってなかったぞ」だと(笑)。
それが終わると、午前の自転車の件が気になり、自転車屋に行ってブレーキ、タイヤを見て貰っておきたくなった。今日を逃すと、また何時時間が取れるか分かりはしない。“一丁、行ってくるか!”とクルマに自転車を積み込み、午後3時20分頃、大竹市内にあるスポーツサイクル・ウエキに向かう。
午後4時過ぎに、スポーツサイクル・ウエキに到着。休日の夕方のウエキは、自転車オジサンの巣窟状態(笑)で、オジサン族が夫々に自慢の愛車を持ち込んで、パーツの交換をあれこれと店のヒトと相談している。私が自転車を持ち込むと、オニイサンは丁寧に応対してくれてしかし、暫く待つようにと応じる。他のオジサンたちの会話を聞き流しながら、店の壁に掲げられているDe ROSAのロゴの入ったクロモリフレームの完成車に見惚れていると、
オヤジさんが登場。何時もの穏やかな声色で、「マサキさん、今日はどうされました。」と声をかけてくれる。
この日最後に訪れたのは病院で、家族一名入院中。家族の誰かが入院すると、日常のリズムがこうも変わるものなのだということをしみじみと感じている今日この頃である。
こうやってこの師走は過ぎていくのだね。
~おわり~
~おわり~
0 件のコメント:
コメントを投稿