2014年12月11日木曜日

乗りバカ日誌 ~師走を走る;マサキの場合、編~

12月第1日曜日の朝、午前6時過ぎに覚醒したのだが、不覚にも次に気が付いたのが午前7時過ぎであった。

 

“しまった! やっちまった、寝過ごした………..” 慌てて布団を跳ね除けて上体を起こしたが、両こめかみが痛む。昨晩、カミさんが用事で外出し、夜遅くまで不在となったのを良いことに、家呑みでリースリングワインを1本開けてしまったのが悔やまれる(笑)。ベッドの脇の窓のカーテンを少し開くと、空はどんよりとした曇り空であった。前日の天気予報では曇り後晴れ、最低気温1℃、最高気温10℃となっていた。流石に寒かった。

 “どうしようか、このまま寝てしまおうか?それとも決めていたことは実行するべきか?”しばらく逡巡していたが、脳ミソの動きが更に良くなるにつれて前日のイチロウ、コウイチとのやり取りで自分が書き込んだ文句が蘇った。
 
“各々方、励めよ!”
 
イチロウとコウイチのF.B.を介したやり取りで、「どうも寒くて自転車に乗る気になれないな」などと書き込まれてあり、ついノリで書き入れてしまったのであった。そう書いた手前、寒いのを理由にしていてはバツが悪い。“2時間程度乗ってくるか”と漸く決心がつき、家人、特にカミさんを起こさぬように、静かに起き出し準備に取り掛かる。嫁に起きられてしまっては、また何を言われるか分からないものね(笑)。

 
冬用ジャージに急いで着替え、大酒した翌朝によく経験する筋肉のこわばりを解きほぐすべく軽いストレッチをし、バイクタイヤの空気を補充して出発の準備が整ったのが、午前745分頃。
 


“各々方、いざ………..。”

 

まず最初に自宅前の坂を下り、旧街道沿いに下りるのだが、身を切る風は流石に冷たくて早速両耳が冷却されて軽い痛みを覚える。その割に裏起毛の長パンツ、ジャージは冷気を遮断してくれて誠に快適である。風は遮断してくれるが、汗による湿気は背部から逃がしてくれているようだ。凄い! 最近の繊維素材はよく出来ていますぞ!

 
何処に向かって走るか決めぬまま、当てもなく漕ぎ出し、旧道を暫く走りながら23コース頭の中で候補を選ぶが、今朝は時間制約があるため、何時ものコースで宮島街道を西下し宮島口で折り返すことに決める。

 

休日午前8時前の宮島街道はクルマもまだまばらであり、大型トラックが走っていなかったのは幸いであった。ただし、なかなか体が温まらぬせいか、昨日の大酒によって体に乳酸が貯まったせいか、足腰が重く思うようにペダルが回せず、バイクが前に進まない。信号待ちの間に自転車を下りて、前輪後輪の回転に不具合があるのかしらと、交互に持ち上げて回してみるが、特に問題はなさそうであった。後に、前輪のブレーキの固定レバーを開放にしていることに気が付き、それを閉じると前輪が引っ掛かる。前輪を浮かせて回してみるとどうも軸はぶれてなさそうであった。ブレーキの問題か?結局原因が判然としないまま、前輪ブレーキレバーを開放したままで走行をつづけた。

 

それにしても、その朝の走行ペースが上がらないため、開き直って所々写メしながら宮島口に向かう事にした。宮島街道を走っていると、単独でバイクを漕いでいるオトコどもにすれ違う。どちらからともなく、会釈をする。これがちょっとしたバイク乗りのマナーらしい。

 


そして、午前8;40分頃、約50分の走行で宮島口に到着。幾人かの観光客が、まばらにJR宮島口駅から宮島に向かうフェリー乗り場に向かっている。記念写真を1枚撮って、少しぼんやりとした。本当は、もう少し走りたかったのであったが、止むを得ず自宅に引き返す。次の予定があるものだからね。

 


午前850分頃出発。復路もどうも思うようにバイクが前に進んでくれない、漕ぐペダルが重い。己の身体的問題か(二日酔い、運動不足)、目に見えぬ車輪のブレかなど、色々考えながら復路を走った。何人かのバイク愛好家のヒトとすれ違い、軽く会釈をする。

 


往路も大体50分くらいの走行で、自宅に辿り着いたのが940分頃。カミさんも流石に起きており、黙って朝飯を作ってくれる。大急ぎで汗を拭き着替えを済まし、朝食を取った後、クルマで散髪に向かう。予約は午前10時で店長さんにお願いしている。予約時間丁度に店内に入り、10分程度待った後に、店内奥の散髪椅子(正式呼称は知らずw)に案内された。

 


いつも通うこのお店はユニセックスの美容院で、子どもが通った幼稚園の近所にあるものだから、子どもが幼少のころからカミさんと共に利用させて貰っていた。私の場合は、40代になるころ長年お世話になっていた理髪店が店じまいをされたのをきっかけに、このお店の店長さんに髪の毛を切ってもらう事になった。考えてみれば家族は14年、私にしても9年近くお世話になっていることになる。この店の店長さんは、私と大体同世代の男性であり、雑談が合わせやすいので付き合いやすさがあるのと、技術もしっかりとしているので、髪型については何時もお任せしている。と言っても、もう私の頭髪の場合は切る髪が少なくなり工夫の余地がないのだけれど(笑)。

 

いつもの調子で、店長さんが私の近況を聞いてくれるものだから、「最近は自転車に嵌っているよ」と話すと、しきりに“それは良いね”などと話を合わせてくれる。「今朝もちょっと宮島口まで走ってきたよ」と伝えると、更に“それはスゴイね。自転車は体に良いでしょう”などと話を合わせてくれている。いつもの両者で交わす毒にも薬にもならない雑談を続けたのであるが、それはそれで寛げて良いものである。

 

大体1時間程度で、散髪が終了。店長さんに笑顔で別れを告げ、クルマに乗って帰宅したのが、午前1120分頃。帰宅すると、次男長男が起き出していて、私に向かって笑っている。どちらともなく「オヤジもだんだん額が立派になってるな」と言い声を立てて笑っている。すかさずカミさんが「良いハゲかたしてきたじゃん。良いよ良いよ。もう50だもん。それだけ残っていたら立派・立派。」とフォローになってもいない合いの手を入れる。息子ども、大声で笑いながら「俺たちそこまで直接的に言ってなかったぞ」だと(笑)。

 
さてそんなバカ話がひと段落ついたところで、カミさんより「息子どもが昼ご飯にラーメンを食いたいと言っているから、連れて行ってやれ」と言う。時は既に1130分を過ぎている、休みの飲食店って大体12時を過ぎると混雑し始めて待たされることが多いので、行くのであれば12時前に店に入りたかった。慌てて、息子どもを急き立て身支度をさせて再びクルマに乗って近所のラーメン屋に出向く。

 
幸いなことに12時少し前にラーメン屋に入ることが出来て、5分少々待たされてテーブルに着くことが出来た。子どもは醤油ラーメンに餃子を、私は磯のり塩ラーメンを注文しホッと一息つく。問わず語りで次男がクラブの顧問とのやり取りを面白おかしそうに話し始めたので、黙って耳を傾ける。

 
そこそこに旨いラーメンを平らげて帰宅したのが、午後1245分頃だったか。自宅に戻ると、女房が雑巾とワックスの入ったボトルを台所の床に置いていた。“都合のよい時間になったら始めるよ”と。

 
そうだった!確かその週始めに、「週末は床のワックスがけをしよう」という約束をしたのであった。うへー、腹いっぱいですぐには動けそうもない。暫くやすんで腹が落ち着いた頃、午後1時より、我が家のフローリングワックスがけを始める。

 
これが結構な運動で、移動可能な机、椅子、敷物を移動させ、掃除機をかける、汚れた床面を重点的に水拭き、そして乾いたところに、水溶性ワックスを適量たらしゆっくりと乾いた雑巾で拭く。普段使用頻度の高い台所は2度掛けをする。その日の自転車の往復走行距離はわずか32㎞程度であったので、これもトレーニングと割り切りワックスがけにはげんだのであるが、全行程を終えたのが午後3時過ぎ。ホッと一息つく。

 


それが終わると、午前の自転車の件が気になり、自転車屋に行ってブレーキ、タイヤを見て貰っておきたくなった。今日を逃すと、また何時時間が取れるか分かりはしない。“一丁、行ってくるか!”とクルマに自転車を積み込み、午後3時20分頃、大竹市内にあるスポーツサイクル・ウエキに向かう。

 


午後4時過ぎに、スポーツサイクル・ウエキに到着。休日の夕方のウエキは、自転車オジサンの巣窟状態(笑)で、オジサン族が夫々に自慢の愛車を持ち込んで、パーツの交換をあれこれと店のヒトと相談している。私が自転車を持ち込むと、オニイサンは丁寧に応対してくれてしかし、暫く待つようにと応じる。他のオジサンたちの会話を聞き流しながら、店の壁に掲げられているDe ROSAのロゴの入ったクロモリフレームの完成車に見惚れていると、

オヤジさんが登場。何時もの穏やかな声色で、「マサキさん、今日はどうされました。」と声をかけてくれる。

 私より、症状を説明すると、「ハイハイ」と応じながら自転車を見てくれた。

 
「ああ、これね。車輪の軸はぶれていないですね。ブレーキが左右に偏っているでしょ。これよくあること。クルマなどで運ぶ時にずれるんですよ。これはね、手で治してください」

 
「ついでにギアも見ておきましょう。ああ、ワイヤが緩んでいないから、全く問題なし」

 
その他、ギアの簡単な調整方法をレクしてくれて、最後に「一度マサキさん時間がある時に来て下さったら、自転車のメンテ方法を一通りお教えしますよ。ハイ。」

 
まったく、メカ音痴のド素人はこれだから困るよねえ(笑)。これだったら、イチロウ自転車商会にまず相談するべきだったな(笑)。ただ、ド素人に対しても懇切丁寧な応対をしてくれるスポーツサイクル・ウエキは素晴らしいと思う。

 
そして今日の走行時の不調の原因は、まったく己自身あることが確定し、がっくりと意気消沈する。

 
午後4時45分頃、スポーツサイクル・ウエキを辞して、再びクルマのヒトとなったのであったが、もう一か所立ち寄るべきところあり、高速道路を使って一路広島市内を目指す。高速道路を下りて一般道に入ると交通量が多く思うように進んでくれない、“道路選択を誤ってしまった!”とややイライラした気持ちで運転したのだが、結局目的地にたどり着いたのは、午後5時40分頃。

 
“夕食時に間に合ってよかった。それにしても、今日一日出入りが激しかったなあ。自転車屋訪問が予定外だったが、分刻みと言わないまでも、今日はよく動いた。師走ってこんなものか。ただ………..

 


この日最後に訪れたのは病院で、家族一名入院中。家族の誰かが入院すると、日常のリズムがこうも変わるものなのだということをしみじみと感じている今日この頃である。

 そこで午後7時まで過ごす。病人とのよく有りがちな会話と一部食事介助をし、夜勤の看護師さんにお礼を述べる。

 
そろそろ引き上げるころ、カミさんからLINEでメッセージあり、「子供がそろそろ腹を空かせているみたいだから、帰ったら肉を焼いて欲しい」とのこと。肉焼き当番は私の少ない家事のひとつであった。“もうイッチョ仕事が残っているか”と気持ちを切り替え、病人に別れを告げて病院を離れる。

 

こうやってこの師走は過ぎていくのだね。

~おわり~

 

 

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