🗓️ 2025年7月19日(土)
今日は、心からリラックスできる素敵な夕べだった。
結婚30周年の記念に、家内とフレンチレストランでディナーをすることにしていた。25周年の時は、世界的な流行り病の影響で外食もままならず、同じレストランのデリバリーを取り寄せて、ささやかに自宅で祝ったのを思い出す。今回は、久しぶりにきちんとした形で外食をしようと、同じレストランを予約した。
私たちは普段あまり外食をしない。思い返せば、夫婦でディナー外食をしたのは、家内が長男を妊娠して臨月を迎えた頃、「今後しばらくは二人でゆっくり食事することもないだろう」とフレンチを食べたのが最後だったかもしれない。
そんな思い出も胸に、今回は30年の感謝をきちんと伝えようと密かに思っていたのだけれど、予約の翌日、家内から「次男が帰ってくるから、席をもう一つ追加して」と言われた。ちょっと残念な気持ちもあったけれど、「まあしょうがないか。奴もあの店好きだし、久しぶりの帰省だし」と、素直に席を取り直した。
当日、少し早めに仕事を切り上げて帰宅し、3人でレストランへ。夏の残照が美しい中、店に到着。顔なじみのシェフが迎えてくれた(といっても、数年ぶりの訪問なので、常連というほどではないけれど)。席に着くと、シェフから「息子さんから記念のワインをオーダーされています」と告げられ、驚いて次男を見た。彼は「初ボーナスが出たし、先輩に相談したら30年もののワインがいいって言われたから」と、さらりと言ってのけた。
……なんだか胸がいっぱいになって、言葉にならなかった。
乾杯のとき、家内への感謝の言葉もどこかへ飛んでしまい、「30年おめでとう。ありがとう…」と、むにゃむにゃとしか言えなかった。でも、それでよかったのかもしれない。
ディナーは、次男の近況報告が中心になってしまい、夫婦の思い出話はあまりできなかったけれど、料理はどれも素晴らしかった。特に鮎のソテーと玄米リゾットは絶品。鮎の皮はパリッと、身はふっくら。リゾットには鮎のハラワタの旨味と苦味が溶け込んでいて、「日本の夏」が皿の上に表現されていた。
シェフのSNSをフォローしていて、鮎釣りの投稿を見ていたので、今回その鮎料理を味わえたのは嬉しかった。
次男が選んでくれた1995年のブルゴーニュのピノノワールも、深みがあって美味しかった。ワイン通ではないので細かいことはわからないけれど、記念の一本として心に残る味だった。
次男がこんな気遣いをするようになったことに、成長を感じると同時に、夫婦で過ごした30年の年月をしみじみと振り返った。子育ての中で衝突もあったけれど、結果的にはそれなりに良い形になっているのかもしれない。妻の功績が大きいことは間違いない。
長男は今回は帰省しなかったけれど、二人ともまだまだ成長途中。これからも見守っていく必要がある。家族という形態としても、これからも紆余曲折を経て成長していくものなのだろう。
そんなことを思った、夏のある夕べだった。
おしまい