職場の留守番日に自分が発作的に食べたくなったものを拵えては、ああでもないこうでもないと雑念を書いているシリーズ。
空腹に耐えられなくなったり、作るのが面倒であれば、インスタントものやコンビニ弁当で済ませることも多々あるのだけれど、そればかりでは飽きてしまうし、突然思い出したら無性に食べたくなるものがある。そうやって多少の手間をかけて拵えて、独り満足を得られたものを記載している駄文である。
1.カツカレー
最近、どういう行き違いが生じたのか、家庭で揚げ物がメニューとして上がることがめっきり減ってしまった。子どもが家を離れ夫婦二人になり、たまに天ぷら食卓に上がることはあるものの、カツ・フライはめっきり減った。食べる人数も減り、特に私の好みが野菜や魚類に変わってきている事や、食用油を大量に使う料理の手間暇を考えると揚げ物を作るのが面倒になって来ているのかもしれない。
そういう個人的な事情から、ここ数年トンカツを食べたことがなかったと気が付いたら、無性にトンカツが食べたくなり、留守番独り飯として拵えることにした。
スーパーで豚肉ロースの塊を購入しそれを分厚くスライス。それを前もって蒸し器を使って過熱しておいた。衣は本来であれば、小麦粉を付けて溶き卵に潜らせ、最後にパン粉を付けて食用油で揚げる事になるのだが、なんと衣をつける工程が一回で済む商品がこの世に存在していたんだな。
その名も「小麦粉、卵いらずラク揚げパン粉」というそうな。実際にこの商品を試してみると衣をつける工程が大幅に短縮できて楽だった。
大量の食用油は後始末が大変なので、油はあくまでも少なく、揚げ焼き程度の量をフライパンに投入し調理した。
ふと、その前の週に作り冷凍していたカレールーがあるのを思い出し、急遽カツカレーの体裁に。
実際に食べてみると、分厚いカツは大変食べ応えあり、また、カレーとのコンビネーションも素晴らしく大変美味しかった。改めてカツカレーという食べ物を発明したヒトは大変偉いと思った次第。
2. チキンカツ定食風
先に書いた便利パン粉が余っていたので、別の日に違う揚げ物、チキンカツを拵えてみることにした。
学生時代に地方で過ごした。大学の最寄駅周辺には4軒の定食屋があり、随分お世話になった。どのお店もご夫婦で営まれており、当時としても比較的安い値段設定であった。家庭料理を出してくれる店、洋食のお店があったが、私の好みは鶏のバター焼き、チキンカツ、唐揚げなどが好みであったと思う。チキンカツを作るにあたって、それらのお店が大変懐かしくなり、もう一品・ひじきを足して定食風にしてみた。チキンカツに使ったのは、鶏の胸肉。低脂肪で胃に優しい。胸肉を筋に沿って切り開き肉の厚さを薄くして、衣をつけて、控えめの油で揚げ焼きとした。付き添い野菜は、キャベツのなどの葉物野菜の千切り・これはコンビニで売られているものをそのまま使用。カツにキャベツの千切りは口の中をリフレッシュしてくれて誠に相性良し。なんだか、うっすらと覚えている学生時代に利用した店主の顔が脳裏に浮かび大変懐かしかった。まだ営業されているだろうか?あれから30年以上の月日が経ったからもうお店を閉じられているかもしれない。時々定食屋ごっこをしながら、当時好きだったメニューを再現していくのも良いかもしれないと思った。
3.ナポリタン・スパゲッティ
独り留守番飯では、時短と簡便さを求めるために主たるメニューでは麺類が多くなっている。麺類の中では、この時期はパスタが多かった。ペペロンチーノ、カルボナーラが頻回に作っているが、前々から旨い喫茶店風ナポリタンを食べたくなって、トライするもののなかなか満足する品が作れずに悔しい想いをしてきた。そんなことを親友であるイチロウ氏に駄弁ると、彼が満面の笑みを浮かべて、「あのさ、そこまでナポリタンに憧れているのであれば、これを使え。」と教えてくれたのが、マ・マー製「ケチャッピー・ナポリタン」というソース。
私が内心出来合いのソースに頼るのは、己の主義に反していなあと困惑の表情を浮かべていると、何かを察したイチロウ氏が、「まあ良いから。四の五の言わすに一度試してみな。悪いことは云わないから....」と笑っている。そこまで仰るのであればと、某日スーパーに食材を買いに行った際に探してみたところ、確かにあった。早速購入して、このソースを使ってナポリタンを拵えてみることにした。
包装にかかれている通りにその手順で作成。私は頭を使わずただ手を動かしただけw。実食してみると、うむむ、確かに旨い。うま味、適度な酸味と甘みの按配。私がイメージしていた喫茶店で供されるナポリタンに仕上がっていた。大変な満足感とほろ苦い敗北感。これまで自分で色々試行錯誤してきたつもりだけれど、これ以上の味を自分では作れないな。この味を知ったからには、今度からナポリタンを拵える際には、このソース一択しかないだろうな。あと追い求めるとしたら、具材のバリエーションくらいか.......。
ナポリタンが憧れの料理から、一気に身近なものになってしまったのだが、嬉しいような寂しいような。ヒトの感覚とはまあそのくらいいい加減なものなんだけれど。
さてこれから夏に向かって、何を拵えて何を食べて行こうか。独り留守番飯の道はまだまだつづくのであった。