3月5日(土)に、私が住む地方では春一番が吹いたとのことである。例年に比べ20数日の遅いものであったらしい。そして本日3月6日(日)は、朝から快晴で春の暖かい陽光が差し、時折吹く風は冷たいが、大変心地良い。
例年であれば、春到来を告げる外界の変化に心を弾ませる時期なのであるが、この度ばかりは外界の陽気とは裏腹に気分は沈みがちである。
まずは流行り病のこと。記録される感染者数はピークを越え減少傾向を示すものの、そのペースは明らかに鈍化。地方によっては再び上昇に転じているところも散見される。本日を以て、私の住所地も万延防止対策期間が解除となるが、今後感染者数の反転増加が懸念される。
それから、2月24日から始まったロシアによるウクライナへの侵略戦争のこと。連日テレビやSNS通じて目を覆いたくなるようなニュース映像に気が滅入ってしまうだけでなく、翻って我が国の置かれた地政学的な課題、そしてかの国の状況(一方的な理屈、思想、価値を元に侵略されてしまった)が我が国に起こった場合どうなるのか?そんなことを思うと大変気が重たくなる。
ここに私の個人的な悩みを書き連ねるつもりはないのだけれど、2022年3月のうちなる 記憶として断片的ながら書き残しておこうと思う。
さて、本来このブログでは、薬にも毒にもならないことを書くことを趣旨としていて、2022年年始からは米国のポピュラー音楽について少しずつ聴いて行こうという腹積もりであった。2月19日にRy Cooderの1970年から1982年までのアルバム11作品のコレクションを手に入れて、そのうち初期6作品をi-podに投入。
それらを試聴するために翌日2月20日に約5時間半のドライブを行った。残雪が残る山間を縫って走る高速道路を東進しながら聴くRy Cooderの演奏は、リズム&ブルースからニューオリンズの色濃く残るジャズ、テックスメックス、そしてカリブ音楽などのワールドミュージックなどの要素が充実していて、聴いていて大変愉快であり、日頃の疲れが癒されるようだった。
それに気を良くして更にアメリカ音楽を掘り下げていこうと思ったが、アメリカ音楽について、ジャンルと各ジャンルの特徴などまとまった知識がないことをあらためて実感。それらのオリエンテーションをつけるために何かアメリカ音楽史について解説してくれる書籍はないものかとネットで検索したところ、「はじめてのアメリカ音楽史/ ジェームズ・M・バーダマン、里中哲彦 著」(ちくま新書、2018)を知った。早速ネットで購入し、斜め読みしてみた。
この本は、両著者の対談という形になっており、アメリカの文化史・音楽史の詳しい両者が楽しそうに、そして流れるように、米国独立から現代に至るまでの同国の音楽史とその文化的な背景について語り合い、読者にとっては大変読みやすい構成となっていた。ただ、初心者にとってはその分一時に多くの情報に接することになり、私には一読しただけでは十分にその内容を頭に仕舞い込むには大変困難であるように感じた。これから本書を何度も読み返しながら少しずつ知識を蓄えて行こうと思う。ただ各章末(各音楽ジャンル)に著者たちが推奨する音源作品が記載されていたのが大変有難く、当面はこれらの推奨作品の音源を集めながら、アメリカ音楽を楽しもうかと思っている。
それにしても、この憂うつな世の中の情勢を想うと能天気に音楽を聴いている事についてぐだぐだと書いている場合じゃない気もするが、今私にできることは、時折音楽に耳を傾けて心の平衡を保ちつつ、日々目の前に立ち上がってくる公私の課題に取り組んでいくことぐらいしかないのだろうと思われる。
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