前日に、仕事の用事で午後クルマに乗っていると、FMの番組のパーソナリティーが、「山下達郎(さん)の“クリスマス・イブ”が、29年連続オリコンチャートベスト100入りした」とアナウンスしていて、“へー”なんて思っていた。
その日の夜に、クルマの車検ついでに冬用タイヤに交換してもらい、それが済むと少し遅れて職場の忘年会に顔を出した。一次会で同僚と別れ、年に3-4回のペースで通っているワインバーに“仕事納め”として立ち寄った。そのペースでもう15年も通っているそのお店で、1-2杯飲んで引き上げるつもりが、マスターとの会話と美味しいワインについ夢中になり、ふと気が付くと出かける間際にカミさんから念を押されていた門限11時に近づいていた。
“じゃあ”とマスターとの別れの挨拶もそこそこに外に出てみると、まさしく夕方にシトシト降り始めていた霙交じりの雨が雪に変わっていて辺りを白く覆い出していた。タクシーを拾おうにも、こんな時はタクシーなんて全くつかまらず、辺りの一ブロックを一回りするも空車は一台も有りはしない。普段は長蛇の列をなしてタクシーが止まっている盛り場の一画に向かうも、全くタクシーなし。
“しまった......、ああ、またこれでうちのカミさんに怒られるなw。”と雪化粧をした大通りを眺めながら独りゴチていたら、目の前を路面電車が走っている。慌てて大通りを横切り、何とかその路面電車に乗ることが出来た。ホッと一息ついて、カミさんに状況の説明をLINEにて送り、「最寄りの電停からは徒歩で帰るよ」と伝えた。
路面電車の窓外を眺めると、益々雪の勢いが増しているようで、「本当にこれは山下達郎(さん)の歌の歌詞のようになったきな」「しかし29年連続でヒットチャートを賑わす歌って凄いね。来年は30周年企画があるに違いない」などと考えていた。
“若い頃に、それほど熱心に山下達郎さんの曲を聴いていたわけではない。ただ、JR東海のテレビコマーシャルで繰り返しその映像と共に曲を聴いてたもんなあ。まあ一時代を象徴する曲なんだよな、そうそう牧瀬里穂ちゃん可愛かったな・・・・.”などと酔っぱらった頭で考えていたら、つい顔がニヤ気ていたようで、向かい座っていた若い女性が怪訝な顔をしていた。少し表情を引き締めて、最寄りの電停に近づくのを待つ。
思いの外早く最寄り電停に到着。こういう時に、牧瀬里穂ちゃんがホームに傘を持って待っていてくれたらなあ、などとおバカな空想をしながら下車し、家に向かって歩くとあちらから見慣れたクルマが一台やって来て、そばで止まった。
「あのさ、ちゃんとLINEの返事見てくれてた?酔っぱらってその辺で行き倒れていたら困るから、迎えに来た」だとw。
“このヒトどう酔っぱらって見てみても、牧瀬里穂ちゃんに似てないよな”“牧瀬里穂ちゃんは来なかったけれど、カミさんが来たか”と独り笑う。
「何ニヤついているの!さっさと、乗りなさい。」
つづく。
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