“ベースとして使われるのは、専ら競輪選手が放出した中古のピスト(トラックレーサー)。
(通常)ブレーキが装着されておらず、ギアが固定式なのでペダルを逆回転に踏んで制動する。ブレーキを装着していないので、日本では道路交通法違反となる“
“変速機がないため、整備性・耐久性が優れているため、アメリカのメッセンジャーの一部がニューヨークなどで1970年代から80年代にかけて使用し始めた。日本では、2000年代半ばに日本にも輸入され、ストリートカルチャーの新しい流行として取り入れられた”
“自転車愛好家からのその安全性について批判的な意見が表明されている……….。”等々。
「やっぱり自転車の部品には規格があるんだとさ。参った、どうするべか…………..?」
それから数日後、再びイチロウのデスクに宅配便で送られてきた大きな荷物が置かれていた。昼休みに、彼がその荷物の梱包を取るところを眺めていると、別のバイクフレーム・フォークが取り出されてきた。そのフレームは、パールホワイトの美しいフレームで、彼曰くこれも中古でネットオークションから購入したらしい。フレームには、「IRIBE」のロゴがプリントされている。
イチロウの解説やネット上のブログで調べてみると、奈良県にあるファクトリーで競輪自転車界では大変有名な製造者らしい。入部さんは競輪界や自転車愛好家からはその素晴らしい仕事ぶりに大変尊敬を集めているようである。確かに、このフレームは素晴らしい仕上げで大変に美しかった。中古の割には塗装もそれほど損傷なくそのまま使っても何の差しさわりもなさそうだった。イチロウの横で暫くそのフレームに見惚れていた。ホイールに合わせても今度はちゃんと嵌り、フレームとホイールの色合いも悪くないように思えた。
ふとイチロウを見ると、意外にも真剣に悩んでいる「困ったなあ。どうしようか?」と。
「実はね、当初の予定では自分でフレームの塗装を塗りなおしてしまおうと思ってたのだよ。」「しかしなあ、このフレームの塗装まだ綺麗で良い仕上がりだものなあ。素人がこの塗装を落として塗りなおすのは、ちょっと抵抗感があるよなあ。」「うーん、どうしようか?」
イチロウの懊悩は更に深まるのであった(笑)。
イチロウ、「うん、これで良し。これで行こうw。」と言った。そして、昼休みを利用して少しずつ、そのフレームの塗装をペーパーやすりで落とし始めたのであった。今後の組み立て過程が楽しみである。
彼は別に、私たちが子供時代にはセミドロップと呼んでいた形のハンドルに逆方向に取り付けられるブレーキ、そしてBrook社の革製のサドルなどを選んでいた。先日これから組み立てるバイクのイメージ図をF.B.上にupしていたので、拝借すると、こんなことになるらしい(笑)。
それにしても、あのIRIBEのロゴの入った大変美しいフレームはどうなったのだろうか?
ふと疑問に想い、彼にその事を質すと、
「心配するな。これが終わったら、マサキのためにもう一台組み立ててやるよ」「それでトレーニングすれば良いんだよ」だと(笑)!
“しぇーっ、そんなのシングルスピードの自転車なんて乗れるわけないでしょ(笑)”
どうも最近だんだんイチロウと私の自転車をめぐる関係性が、映画「釣りバカ日誌」のハマちゃんとスーさんの関係に似てなくもないなと思える今日この頃である(笑)。
どうも最近だんだんイチロウと私の自転車をめぐる関係性が、映画「釣りバカ日誌」のハマちゃんとスーさんの関係に似てなくもないなと思える今日この頃である(笑)。
~おわり~
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