AndroidのRuntastic road bikeの起動にもたついている間に、スタートの号砲が鳴り、止むを得ずコウスケと共にスタート。今治ICのゲートを潜った後も、片手運転で上記アプリを起動させようともがいていたが、Dコース最後尾に付けてのスタートであったため、すぐに「Dコース関門」の旗を付けた自転車に乗っている大会スタッフに追いつかれ、「片手運転は止めろ」と注意を受ける。
最終的に起動を諦めてコウスケの後を追う。今治ICから第一の橋来島海峡大橋まで約7~8㎞で架橋部の最高高度海抜55m、平均傾斜度約4%のなだらかな上り坂がさっそく待ち受ける。下見の際にこの箇所を一番懸念していたが、実際にバイクで走ってみると思いの外スムーズに上ることが出来た。スタート直前で集団がゆっくりとした密集で走っているため、そのペースで漕いでいると負担感は全くなし、24inch径の折り畳みバイクを漕いでいるコウスケに追いついた後、私が先導する形で一緒に走ったが、コウスケも無理なくついて来てくれていた。
高速道路横の側道、或は高速道路を跨ぐ道路からは、地元の方が熱心に声援を掛けてくれていて、私たちのように素人のバイカーにも暖かく応援してくださっていることに大変有難かった。
高所恐怖症である私は、海抜55mを走る来島海峡大橋部横断に密かなる懸念を抱いていたが、実際に走ってみると全く恐怖心が湧かず左右に広がる海峡の風景に心が和んだ。上空では、取材のヘリコプターが旋回しており、改めて大掛かりなイベントであることを実感。橋の上の自転車・遊歩道からも地元の人たちが熱心に応援してくれていた。所々に一眼レフを構えたカメラマンが待機していて私たちの姿を撮影してくれている。
てっきり大会のスタッフが広報用に撮影しているものと勘違いし、私はカメラを向けられると顔を背けたり俯いたりして没ネタになるべく意図したが、後に知るところによると業者の営業で販売用の撮影だったらしい。
そういう事であれば、もっと爽やかな笑顔を作って写真に収まるように意識したものを(笑!)。
来島海峡大橋の後半あたりで、後からスタートしたEコースの集団が近づいてきたらしい。同コースを先導する大会スタッフが後ろから近づいてきて、「早い自転車が通ります。避けてください。」と鋭い声をあげて我々に知らせてきた。
“げっ!どうせ私らは素人の物見遊山組だい。これじゃあ、そこのけ・そこのけ・お馬が通る状態じゃないか(笑)”と思っていたら、しばらくして時速40㎞以上であったろうペースのバイク集団が右側をものすごい形相で追い抜かして行くではないか!
このEコース組、今回の一番のハードコースでトータル110㎞を走る設定になっているために、集まるバイカーたちも本格派のヒト揃いのようだった。乗っているバイクはどれも高そうで、皆一様に日焼けして締まった体格をした持ち主のようだった。明らかに競っているw!こりゃあ、遅い者が紛れ込んだら接触転倒間違いなし、とのことでkeep leftに徹し、我らがDコースのメンバーのペースに合わせた。
何時かは、Eコースに出場したイチロウ、ジロウ、ヤマグチ青年も追いつてランデブー出来るものと期待し、彼らに遭遇したら暫く一緒に走ろうかと思っていたけれど、結局遭遇出来ず仕舞い。大集団で走っているし、途中2-3か所トンネルがあったため、知らぬ間に彼らが追い越して行ったのかもしれない。
その後も、島嶼部の山間部に差し掛かると緩やかなアップダウンが続いたが、24 inch自転車で後ろを走るコウスケは見事について来ていた。彼は、これまでにあまり運動をしてこなかったと言っていたが、なにをなにを、見事な健脚振りであった。それでも、他の参加者を追い抜かしていくことを繰り返していたら、コウスケとの距離が徐々に開いてきたため、大島の山間部で一度自転車を停めて、先ほど起動に失敗したRuntasticの再起動を試みる。今度は、上手く作動する。ここから計測してもデータとしては意味がないとは思ったが、しないよりは益しかと己を慰め、同アプリを使って計測を開始した。
その後は、再びコウスケとタンデム走行をしていたが、コウスケより「お互いのペースで走ろう」と言ってくれて、第一エイドポイントがある生口島瀬戸田サービスエリアまで各自のペースで走行した。
周囲には、女の子グループ、中高年のカップル、ちょっとクラッシックな出で立ちのカップル、如何にも会社の有志で参加しているオッサングループなど、夫々が秋の一日を思い思いの趣向で楽しんでいる様子で、秋の瀬戸内の風景とマッチして平和的な光景だった。
やがて、大三島を通り過ぎここでEコースの猛者どもとお別れ、右手後方からのプレッシャーはなくなりw、更に平和的な光景となった。もう一つ橋を渡ると、生口島瀬戸田パーキングに設定された第1エイドに到達。到着時刻10時20分頃。
暫く待つと、コウスケもやってくる。良い笑顔あり、少し腰痛が出たとのことであったが、特にバイクにも体にも大きなトラブルなさそうで彼なりに楽しんでいる様子。~良かったあ~。
エイドステイションでサーブされる、スポーツドリンク、瀬戸田名産のレモン、そして作り立てのもみじ饅頭をいただく。私が「作り立てのもみじ饅頭は殊の外旨いよ」と彼に伝えると、「流石地元人、東京界隈ではそうそう食べられないもの。色々なメーカーがあるの?」と笑っている。実際に食した後、彼から特別な感想はなかったので、その味は都会人には大したことなかったかw。
第1エイドポイントの関門時間は午前11時10分で、私たちはゆとりを持って10時50分頃に出発。ここからはコウスケと連なって暫く高速道路部分を走り、生口島北ICを下りて生口島の一般道へ、生口島洲江港を目指す。
一般道を走ると、沿道の所々に地元の人たちが出てきて、盛んに声援を参加者に送ってくれる。手に細長い風船(というのかな、プロ野球の応援で最近よく見かけるやつ)を持ってしきりに叩いて応援してくれている。ああ、本当に地域あげてのイベントなんだな、こりゃあ。有難いやら、ボクらのような物見遊山のものに対して時間を割いてくれて申し訳ない。
洲江港に到着。ここから岩城島は目と鼻の先で、フェリーで渡海することになる。暫くフェリーの到着を待つが、実際に乗るとものの10分で到着。到着すると、時計回りに岩城島を1.5周でフィニッシュとなる。
岩城島に上陸後、造船所横の緩やかな坂道を上って降りると、第2エイドポイントに到着。
然程の疲労もないため先を急ぎたかったが、半強制的に休息を取らされることに。エイドポイントでは地元のご婦人たちと地元の中学生らしきこどもたちが、大きな声を出して食べ物や飲み物を勧めている。
“ああ、良いですねえ。良い光景です。”個人的には何だか懐かしい。
地元が一致協力して大会を盛り上げてくれている。ずっと静かに感動していたのだけれど、このイベント全体を通じて地元の方のホスピタリティーは素晴らしい。
第一エイドポイントを出発してまものないことや、フィニッシュで待っている岩城島名物の“レモン豚丼”に期待していることもあり、スポーツドリンクのみ頂いて出発することにした。子どもたちにもうしわけないとやや罪悪感が生じるが致し方なし。
島の田舎道を走るのは誠に気持ちよい。当日は晴れているものの薄曇りで陽射しも穏やかだった。左手に見える因島ほか、小さい島々、瀬戸内のやや緑がかった青の水面を眺めながらゆっくりと走った。途中厳しい坂もあったけれど何とかクリア。この島に入っても、沿道の各所で住民の皆さんが集まって出ていて、声援や拍手を送ってくれる。こちらも応援に馴れてきて(笑)、手を振ったり会釈をしたり、ありがとうと返事をしたり。
地元住民の皆様の熱い声援についこちらも調子に乗って(あくまでの内心だけれど)、“これじゃあ、まるで選挙の遊説みたいだな”と思い、つい顔がほころんで楽しくなって、積極的にレスポンスを返すことにした。
一周目のフィニッシュポイントの岩城港のある集落に近づくと民家が密集した通りに入ったのだけれど、そこにはヒトが沢山出ていてちょっとした凱旋気分を味わえた。沿道にはたくさんのお年寄りも出てきてくれて熱心に声援をここでも送ってくれていたのである。
その中に独り辻角で、私たちが近づくとぶつぶつと何やら念仏らしきものを唱えながら、一生懸命手をすり合わせて拝んでくれていたかなりのご高齢のご婦人がいた。
横目で眺めながら“・・・・・?”
何と勘違いされていたのだろうか。思わず振り返ってこけそうになる(笑)
岩城島を一周過ぎると、今度は山の手を通る県道174号線から更に海沿いの径に入る。路面が悪くてパンクの危険が出てきたため、更に速度を落としてゆっくりと走る。この辺りになるとこのDコースの趣旨を体感していたので、海の風景やサイクリングを楽しむことに徹する(笑)。
そして再び県道に合流。コウスケが「最後思い切り走って良いよ」と言ってくれ、その言葉に背中を押されて自分なりのアタックをかけることにした。やがて最後の難関の登り下りそして距離のある登り坂に差しかかかる。ゆっくり走っている女の子グループを最初の坂で追い抜き、緩やかな下り坂、そして最後の難所に挑みかかったところで、ギアチェンジに失敗しチェーンを外す大失態(笑)!敢無く、自転車を下りてチェーンを填めることに。先ほど軽く抜いた女の子に再び抜き返されてしまった。
登り坂を再び自分なりにアタックし、そして暫く走ると地元の方が多数待ち受ける岩城港界隈に凱旋し、目出度くフィニッシュ! 到着時刻:午後12時40分頃。
誠に気持ちの良いサイクリングだった!このイベントを盛り上げてくれた関係者、大会スタッフ、そして地元の方々に心からの感謝と拍手を(!)
会事務局に赴き、フィニッシュの確認と完走の認定書を受け取り一休みし、ケイスケのフィニッシュを待った。
ケイスケも私に遅れること約数分程度でフィニッシュ。彼にも笑顔有、ただし途中から痛み出した腰痛を悪化させているのだとか。だけれども彼の笑顔にも満足の表情が読み取れて良かった。
大会スタッフにお願いして、記念の写真を撮ってもらった。これは良い思い出になると思う。
※そうそう、今回は役立たずだった例のRuntastic road bikeのデータの一部をここに示しておきたいと思う。
~完~
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