2015年2月14日土曜日

ざ・トウキョウw!~その2~


翌朝、午前7時頃に起床。緩々とベッドから這い出し、シャワーを浴びてゆっくりと支度する。その日は、新橋の某ホテルで同業者の会議がある(筈)ので、確か930分開始だからまだ時間的ゆとりもあった。(筈)を入れたのには少々理由があり、会議は年次総会であり、毎年この時期に同じホテルで開催されていた。この度代理出張を仰せつかったのであるが、肝心の案内状を確認していなかった。この会議といえば某ホテルとインプットされていたので、つい確認を怠ってしまったのであったが、その思い込みは後刻ちょっとしたパニックを引き起こしたw。

 
午前840分頃にホテルをチェックアウトして会場を目指した。東京駅に戻り山手線で新橋に向かうつもりで大通りに出たが、ふと左手を見ると、「東京メトロ・日本橋駅入り口」の表示を発見!

 
“ああ、ウフフ、これはこれは、何という幸運w!”思わず朝から気分が上がってきた。

 
その理由について述べるには、少々長くなってしまうのだが、話を続けたい。その週始めに、何かの折にイチロウが「ヨルタモリ」という日曜夜に放送している番組を知っているかとボクに問うてきた。「残念ながら知らぬ」と答えると、彼曰く、久々にタモリが面白いことをやっていて、親子で毎週見ているのだという。テレビ嫌いのイチロウにしては珍しいこともあるものだと思い、昼休みに早速you tubeで検索してみるとありましたw。

「世界音楽旅行」「日本古典文学講座・百人一首」等々タモリ節全開で笑える。個人的にはその中でも「日本の車窓より、みたいな」が特に気に入った。東京地下鉄の風景を「世界の車窓より」調のナレーションを入れて映し出しているだけのものなのだが、それがクスクスと笑える。

 
昨晩思いついたアイデアというのは、銀座線を短距離乗って「独り日本の車窓より・遊び」をやってみるか、とただそれだけのことだったのであるが、地方者にとっては楽しめそうだった。

 
目の前には、絶好のチャンスが待ち受けている。日本橋から銀座を通って新橋まで乗れるなんて「日本の車窓より・遊び」としては最高のシチュエーションであり、こんな事滅多にないものねw。迷わず入り口に向かい銀座線を目指した。

 
ところが駅のプラットフォームに入ると、そうだった、ラッシュアワーになっているではないか。列に並び電車を待ち、そして電車が入ってきたが、ボクの手前で鮨詰め状態となり、敢無く乗車を諦め次の電車を待つことになった。“これでは日本の車窓よりの、あののんびりとした風景は楽しめぬではないか…..” と、大変暗い気持ちとなってしまった。

 
ところがである、次の電車では前の電車とは全く違ってそこそこの込み具合であり、しかも銀座で大半のヒトが降りてしまい、更にゆとりが出来てしまった。“良いね、良いね。”“銀座線は、日本橋から銀座にかけて日本有数の商業街を通り過ぎ、サラリーマンのメッカである新橋に向かうのでありました。”等々、頭の中でそれ風のナレーションを入れ大いに楽しめましたw!

 
東京メトロ銀座線を新橋で降りて、目指す某ホテルはすぐそばにあり9時過ぎには目的地に意気揚々と乗り込めたのであった。

 
が、なんと!ホテルの宴会場の札にその会議名が記載されていないではないか!“あれ、おかしい、日にちを間違えたのか?そんなボクに代理出張を言った本人ならびに事務サイドが単純ミスをしてしまうのかな…..?”そうだ、それは十分にあり得るw。

 
慌てて、職場に電話をかけて会議事務局に連絡を取ってもらう事にした。待つ間にコーヒーショップに入り、窓外の穏やかな日和の中で佇むオフィス街を眺めていたら、日程を間違えたのであれば、ここは開き直って東京散歩の続きをして地下鉄旅をやってみようか等と思い始めていた。

 
しばし待つこと10数分、職場から電話がかかってきて、「日時は合っているのだが、会議場所が新橋ではなくて大手町の某ホテルになっている」とのことであった。

 
“なぬー、大手町といえば東京駅のあっちか……。逆方向に来てしまった訳か…..トホホ。どうやって行くべか……”スマホを取り出してナビで検索すると、「内幸町から都営三田線で大手町まで約13分」と出ている。“おお、またまた地下鉄か「日本の車窓から・遊び」ができるではないか…..。東京駅・JR線を挟んで行ったり来たりか、これは面白いw!この時は多分相当ニヤついていただろうなw。

 
そのコーヒーショップを出て日比谷通りを目指して一区画歩き、難なく内幸町駅入り口を発見。日比谷通りのほぼ真下を通て地下鉄が走っているのだろうな、うふふ。こんな大通りの下を何工法で掘削したのかしら、千代田城のお堀の真横を通るから工事中に何かひとつやふたつ苦労もあったのだろうな、など、会議の事はそっちのけで、頭の中はナレーション作りにお花畑状態と化していたのであった。

 
この三田線、以前にも何度か乗ったことが有るのだけれど、どこか地味な味わいがあるのだけれど、それはどうしてなのだろうか?午前930分頃の車内は、ヒトも少なく都心部を走っている割には、何故だか生活感が漂っている感じがする。地方者から見るとちょっと不思議な車内雰囲気です。今度誰かに聴いてみよw。


 
そんなおバカなことを思っていると、あっという間に大手町に到着してしまった。目指す某ホテルは、お堀近くにあり迷うことなく着いたのであったが、ビルの構造が地下から上がると少々複雑で、ホテルに入るのにちょっとした戸惑を感じてしまった。

 
このホテル、多分十数年前にイチロウと泊まったことがあった。何かの序でにハトバスに乗ろうという事になり、東京駅近くという事でここに泊まったと記憶している。その当時は古い佇まいで、それはそれなりの趣があったが、昭和の感じで古びた印象は否めなかった。その後この数年でどうも新しいビルに建て替えられたようで、立地に見合った大変立派なホテルになっていて、これには大変驚いた。ボクの泊まりたいホテルリストの第3位辺りに入れておこう。

そして更に驚いたのはロビーを歩いていると、ホテルマンが「○○様の会場は4Fでございます、どうぞエレベーターでお上がりください」と聴きもしないのに誘導されてしまったことであった。あっという間に誘導された感じですたこらとエレベーターに乗り込んでしまったが、この身に沁み込んだ仕事臭が先方をして容易く見破らせてしまったようである。それにしても、ここのホテルマンの優秀さを褒めるべきか己に染みついた仕事臭を嘆くべきなのか、少々悩んでしまったw。

 
結局のところ、会議主催者側の挨拶が終わるころに会場の最後方の座席に滑り込んだみたいで、事なきを得て、最大の目的である情報収集は漏らすことなくゲットすることが出来たw。

 
昼休みに主催者が用意したお弁当を平らげた後、戸外を散歩しようとエスカレーターにて階下に降りてみると、我々の階下の宴会場では某・王手海運会社の「故人を偲ぶ会」が開かれていた。すれ違うお歴々を見ると、確かに我々とは醸し出す雰囲気が違うw。この辺り詳述を避けるので察してほしい。どうも大きな集まりは、我々のものとこちらの偲ぶ会と二つだけのようであり、そりゃホテルマンじゃなくてもどちらの会場に来たのか一見してわかるよな。極めつけは、そちらの会には某政党の副総裁までSPを引き連れて登場したのを目撃した際には、もうそれ以上言う事は何もなかったw。

 
ホテルのエントランスの黒塗りの高級車が次々に車寄せにやってきているのを斜めに見てw、左手に曲がると前方には千代田城・皇居のお堀、櫓がすぐに見えて、随分と気分が和んだ。そして皇居前広場に向かって緩々と歩く、雲は多かったが空は晴れて穏やかな風が吹いていた。


 
誠に気持ちよく、正しく“東京日和”であった。この皇居前の広場に立って、右手に皇居、左手にビルの谷間にぽっかりと開いたスペースに佇む東京駅舎を見るのって、田舎者には堪らない景色だなと思う。皇居から東京駅に向かう広い通りの景色は本当に素晴らしい。島倉千代子さんの“東京だよ、おっかさん”というフレーズが頭の中をよぎるw。





 
根拠は何もないのだけれど、この風景を見ていると日本という国柄に対しての安心感と信頼感を覚えてしまう。我ながら本当に御目出度い野郎だと思うのだけれど、そう思うのだから仕方がないw。この感覚は、伊勢神宮にお参りに行った時に感じたものに近いな。ボクは本当に正真正銘の田舎者なのだと思うが、日本人でエカッタ(笑)。

 
暫しそんな事を思いながら、東京散歩とする。ホテルの会場に戻り、午後からの会議を聴き無事にミッションを終了した。

 
午後4時に会場を後にし、先ほどの散歩コースを辿り、午後611分発ののぞみに乗るべく、あの大通りを歩いて東京駅に向かった。トボトボ歩いていると、ビルの谷間から東京駅舎が見えてくる、正面のスペースにはまだ工事用の壁が立てかけられたままで、どんな事になるのであろう。完成したら、その全容をまたこの広い通りから眺めてみたいものである。


 
丸の内口から駅構内に入り、休憩場所を探すが思うようなところが見つからず、結局再び八重洲口に戻って、地下街にあるその名も「ニュートーキョウ」wで軽食とビールを取り独り反省会を開く。
 
時間にして21時間の短い東京滞在であったけれど、この度の「トウキョウ」は大変有意義であったw。コウスケと久しぶりの邂逅、「日本の車窓より・ごっこ遊び」、個人的な田舎・日本人アイデンティティーの確認、出発前には全く期待してなかった楽しさであった。
 
ただ、「また来たいか?」と尋ねられるとyesともnoとも言いあぐねてしまう。まあそれほど大した命題でもないか(笑)。

 
“さあ元気を出して帰るべか!”と週末夕方のビジネスマンでごった返す新幹線に乗り込み、西下したのであった。

 

(おわり)

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