翌日3月1日、午前8時頃私は起床した。昨晩、Gilberto’sのオフ会で気持ちよく大酒したため、駅前のホテルの一室に引き上げた後、ベッドに横たわると気絶するように入眠したようである。
窓の外を見ると、雨模様であり、天気予報の正確さに舌うちをする思いだった。
“近頃の気象庁の予報の正確さには脱帽ですぜ………。流石世界に誇る気象衛星とスパコンの威力は素晴らしいよw。全く。”
その日は、Gilberto’s関東組の面々と昼食を共にして、そして散開する予定となっていた。ジロウとコウスケたちが、前日のコンサート前に表町商店街の一筋東側の“オランダ通(名前の由来は知りませぬw)”にある、かつ丼の「だて」をチェックしていて、そこに午前11時に集合することになっていた。
午前9時前にイチロウより電話連絡あり、「この雨の中11時まで何をするべか?」という話になったが、結局当ては定まらぬまま、9時30分にレセプショニスト前に集合することとなった。
ロビーでイチロウと出会うと、「取りあえずまだ開店していないだろうが、喫茶店・チャイヤ(岡山大学津島キャンパス付近)を覗いてみよう」という事になり、クルマに乗り込んだ。
車中で、イチロウに何気なく「ホテル代を払わないとな」と言ったのが運のつきでw、前日晩のオフ会が終了した後、ホテルにチェック・イン後の記憶が断片化していることが発覚。そういえばラーメンを二人で食べに行ったこと、そのお店でビールをこぼす粗相をしでかしたこと等、このマサキの悪行がイチロウより明かされることになり、いたく猛省するw。
結局、津島地区にあるチャイヤはまだ開店前であったので、その前を素通りし表町・天満屋/ 表町商店街を目指す。
私は若い頃より表町商店街が大好きで、岡山に来るたびにこの通りを宛もなく歩くのが好きである。桃太郎通り(岡山の目抜き通り)からこの商店街のアーケードに入り、シンフォニーホールにある丸善で本を物色し何冊か購入すると天満屋デパートに向かってぶらぶら歩く。昔ならば、途中Green house岡山店がこのアーケード街の中に在ったので、このお店に入りCDを物色して再び通りに出る、そして数メートル歩き本やはりこのアーケード街の中にあった喫茶店で一休みしつつ、その日の獲物を取り出しては眺めてひとり悦に入ってたものだった。今はGreen Houseは他所へ引っ越してしまい、お気に入りの喫茶店もなくなってしまったので、ただブラブラと歩くだけになってしまったが、それでもこのアーケード街の佇まいが好きである。行き交う家族やカップルものんびりと歩いていて平和的な光景を目にすることが出来る。地元のヒトにそんな偏愛を語っても、怪訝な微笑みを返されるだけなのであるが、好きなのだから仕方がない。
その朝は、上で触れた“オランダ通”沿いのコイン駐車場にクルマを停めて、イチロウと表町商店街に入った。イチロウがお土産にきび団子を買って帰りたいとのことであったので、早速天満屋デパート地下に行き、きび団子をゲット。私もつられて同じものを購入し、その近くに置いてあった「大手まんじゅう」をも購入した。岡山土産としてきび団子は有名だけれど、実は隠れた銘菓としてこの「大手まんじゅう」も捨てがたいのですぞ。薄い牛皮の中に、たっぷりと上品なこし餡が入っている、私はあまり食べないけれど、“餡マニア”には堪らないらしいw。茶菓子として抹茶といただくと合いますぞw。
イチロウにも勧めるが、彼曰く「オレ、餡子マニアじゃないから、要らねえ」だとw。
その後、イチロウはデパ地下をゆっくりと一周、「地方に来たら、まずはその地方の台所に行ってみないとな。その地方のヒトの暮らしが一番見えやすいところだろう」と文化人類学好みのオトコがのたまうておられましたぞ。私もその類の話が嫌いではないので、フムフムと相槌を打つ。
再び、地上に出て表町商店街を岡山シンフォニーホールに向かって歩く。
イチロウ、「あのさ、岡山の3大土産言ってみろ、岡山通のマサキなら言えるだろう?」
なぬw?そんなもの…..知らんでしょう。という事で、シンフォニーホールの向かいにある岡山物産館に向かったのであるが、尚もイチロウの追求は続いている。
“倉敷ジーンズか?”「そんなもの、土産にならんだろう!」
“白桃かピオーネのコンポートか?”「あのな、そんなもの日本全国のデパ地下にあるだろう」
“備前焼は?イチロウ、御猪口集めていたろう?”「もう既に持っているよw!」
“○○屋のマーガリンロールは?懐かしい味がするぞw。”「あのなあ、もう少しインパクトのあるものはないんかいw?」
等と、バカ話をしつつ目指す物産館に辿り着く。店内に入り、白桃コンポートを見つけつつもパスし、手にしたのは“黄ニラの浅漬け”ひとパックw。後日これを日本酒の当てにしたのだけれど、なかなかの美味でしたぞ。ゴハンの御伴にもどうぞw。
買い物を済ませて、同店を出たところで、コウスケより連絡が入り、関東組は集合場所の「だて」の前に到着したとの事。我々も関東組と合流すべく、「だて」に向かう。
同店は、11時30分から営業開始とのことで、5人でしばし待った。岡山のカツ丼は、ごはんの上にトンカツが乗っかり、その上からデミグラスソースがかかっている。出すお店によって多少のアレンジがあり、カツの下に千切りキャベツが敷いているところもあれば、「だて」のようにデミグラスの上に生卵をひとつ入れて提供するところもある。「だて」では、カツ丼の他に中華そばもメニューにあり、カツ丼と中華そば両方を注文するお客が多いようで、メニューもカツ丼定食と云えばカツ丼一人前に中華そば半玉分を、中華そば定食といえば一人前の中華そばにカツ丼半人前が付く。勿論単品でそれぞれ注文は可能。
学生時代に初めてこのカツ丼を食した時には驚いたが、次第に慣れて美味しいと思うようになった。このお店、学生時代にはそれほどポピュラーでもなかったような気がしていたが、何時しか人気店になっていたようであり、20代の頃から休日の昼食時にはお客が列を成して並ぶようになっていたのには驚いたものだった。その後も訪れるたびに、この店の前にはお客が列をなして並んでいる。それにしても、デミグラスソースがけのカツ丼と中華そばを一緒に食べるなんざ、ワイルドだろうw?(このギャグはもう死語かw)
その日私は、前日の飽食もあり、“ハーフ定食”なるものを注文。他の4人は各自カツ丼定食を注文したようである。久しぶりに食べたカツ丼は旨かった。その他のメンツも、夫々デミグラスソースかつ丼に満足したようであったw。
お腹を満たしたところで、Gilberto’sのこの度の会は目出度く終了となった。関東組は、クルマで神戸まで移動し、Mika Samba Jazz Trio 神戸公演に参加することになっていた。イチロウと私は、クルマで旧山陽道(国道486号線)を辿り総社市~真備町~矢掛町~井原市~福山~尾道へ至るコースを往くつもりでいた。
それにしても、この度のGilberto’sの邂逅も大成功であり、次回はどんな企画で集合できるか大変楽しみだよなと思いつつ、関東組と別れた。この度の小旅行が始まる前までモチベーションが上がらなかったイチロウもそれなりに楽しんでいる様子であった。
そして、イチロウと私はこの度の小旅行のクライマックスである旧山陽道の西下を目指したのであった。
つづく…….。
0 件のコメント:
コメントを投稿