このコースは、事前にイチロウがコース設定してくれたものであり、島一周を企図しながらも一部自転車で走るには少々危ない道路は外してある。コースの特徴としては大小8か所の上り坂道がありの、平坦でその気になれば思い切りペダルを踏み込める箇所ありの、なかなか楽しめそうなコース設定となっている。ここ数年市の観光協会の地味な働きかけもあり、週末になると広島市内から自転車愛好家がこの島にやってきて思い思いに走っているようだ。
平成27年1月14日午前8時40分頃にスタート。この日使ったのは久々にGiant MR4R 24inch径の折り畳み自転車。スピードは望めないので、ポタリングで走るつもりでいた。この自転車に久しぶりに乗ってみてすぐに感じられたことは、ボクがもう一台所有するCinelli Experienceに比べると推進力には劣るものの、路面から伝わる振動を程よく吸収してくれて乗り心地が柔らかく快適でポタリングするには打って付けであることだった。
スタートから約4㎞地点と14㎞地点前後にある坂はそれなりに難なく通過した。イチロウからのアドバイス通り、インナーギアを積極的に使いケイデンスを一定に保つことを意識して走る。この辺りでは全く問題なしw。
やがて、北西に向かう平坦な道14㎞地点~20㎞地点間で、正面からの強い向かい風をくらい難渋する。走っていると前方に、緑のウィンドブレイカーを着てロードバイクに乗って走行中のお兄さんを発見。24inch径のバイクに乗っている私でされ容易に追いつくぐらいのゆっくりとしたペースである。「えらくゆっくりとしたペースだな」と訝しく思いつつも、「コンニチハ」とお互いに挨拶をして、追い越し更に先に進む。
22㎞地点から24㎞地点の間に緩やかな上り下り坂があるが、そこも問題なく通過。右手に、手前からエノシマ、ミヤジマが冬の穏やかな日差しを浴びて美しく映えている。ここの眺めは瀬戸内を感じられてとても気持ちが良い。
24㎞地点を過ぎてしばらく行くと、28㎞地点辺りまでなだらかな上り下り坂が続いた。当初は、このコースでの最大の難所と思われた。実際に走ってみると勾配はそれほどきつくないものの左右にカーブが続き各カーブ毎に傾斜角度が次々に変わるので、失速しないようにこまめにギア変更しなくてはならず、ここは良い練習になる箇所だなと思えた。山間の長い坂道を越える28㎞地点からは、右手に再び海が見渡せ右手前方には大黒神島を眺めることが出来た。しばらく下った時点で写真撮影のために止まり、小休止を取る。穏やかなな海を眺めていると、体も心も休まるようで、出張ってきて良かったと思う。
再び自転車に乗り再スタートと思ったところで、先ほど追い越したウィンドブレカーニイチャンがものすごいスピードで坂を下って行った。
“しまった、やられた!”とつい思ってしまったが、下り坂が終わり平坦な道になると、何故か再び追いつく。ゆっくりと近づきながら、そのオニイチャンの様子を伺うとインナーギアを一番軽い設定にして物凄い勢いてペダルを漕いでいることに気が付いた。
“げーっ、このオニイチャン、ずっと一番軽いギアしか使わず走っていたのかw?”“スゲー、こういうトレーニングの仕方があるのか?”思わず心の中で唸ってしまった(笑)。
後方からボクが近づいたのに気が付いたら、そのオニイチャンが振り返り、右手で“先に行け”の合図。暫く並走し、再び挨拶をする。ギアが壊れてしまったのか、わざとそうしているのか、初対面のヒトだったので、どういう事情でそんな走りをしているのか聴くのが憚られ、先々のコースを聴いたり・どこからやってきたのかを手短に話し、再び私が先行した。
気の優しそうなニイチャンで、にこやかに応対してくれて気持ちよく別れた。
32kmから34㎞地点にかけては、船の解体ドック、石油備蓄基地があって、普段見ることのできない光景を楽しむことが出来た。
ここを過ぎたあたりから、やや両脚に疲労を感じ始めたが、走行は至って快調、途中コンビニを発見し小休止をとろうかと否かと逡巡したが、結局スルー更に先を急いだ。
40㎞地点から42㎞地点にかけて、4か所目の距離はそれほどではないがやや急勾配の登り坂に差し掛かる。この勾配で、両大腿前面の筋肉に軽い違和感を覚える。この坂を乗り切り進路を北に向かう時点で、両大腿のパワーが落ち推進力を失った。それでも後からデータを見ていると22~23㎞/hrペースで走行していたようで、ボクなりに耐えていたようである(笑)
その後は、46㎞時点まで多少の起伏はあるもののほぼ平坦な道のりであった。両脚の違和感は続いており、気力が次第に萎えてドロップアウトをすることも頭の中でちらつき始めていた。ただ、設定してくれたイチロウへ報告したいことが残されており:46㎞地点から先のコース状況ついて調べておいてくれというミッションがあった、ここは耐えてコースを先に進むように自分を宥めた。
46㎞時点に到達し、空き地で小休止。両脚の屈伸を繰り返し残りのアクエリアスを呑みほした(全行程を通じて同飲料を計500ml分、水分補給したことになる)。スマホをいじっていたら、Runtasticの動作に不具合が生じ、ここから先はコースは記録されたものの、その他のデータは消失ししまい、大変なショックを覚える。
とにもかくにも、走行を再開。再開直後に5か所目の距離は然程ではないが急勾配の上り坂にかかる。ここかなりの力を使ってしまい辛うじて登坂することが出来たが、下り坂で両大腿の膝関節あたりの筋肉が攣ってしまうというアクシデント発生。“ついにやってしまった(泣)”と舌うちしつつペダルを漕ぐ、脚を伸ばす度に軽い痙攣をおこしたが、暫くすると収まるため、止まらずに更に進む。
データが残っていないので目分量になってしまうが、50㎞地点辺りから再び6か所目の長い上り坂となる。両脚を宥めつつ、或は痙攣をおこさないように祈りつつ、登坂に取り掛かったのが、10mも進まないうちに、両大腿が音を上げてしまい深刻な痙攣がやって来てついに、自転車を下りてしまった。暫く、両脚を交互にストレッチしつつ休止、ドロップアウトの文字が頭の中でちらついた。
すると、反対方向から突然「大丈夫ですかあ!」と男性の声があった。顔を起こして前を見つめると、ロードバイクに乗って猛スピードで通り過ぎる男性あり。続いて5-6人のロードバイクの集団が、「大丈夫ですか?」「コンニチハ」と思い思いに声をかけて通り過ぎてゆく。
“げー、一番カッコ悪いところをみられてしまった”“こんな不様な態ですごすごとドロップアウト出来ないもんね”と自分に言い聞かせ、走行を再開。とは言え、筋肉の痙攣の再発は御免であったので、ゆるゆると登坂を再開した。坂そのものは思ったほどハードではなかった。その坂を上り切ると長い緩やかな桜並木の下り坂が続き、誠に気持ちが良かった。春桜満開の頃に、この坂に来ると気持ち良いだろうな。
その坂が終わると、港に入るのであるが、そこから再び54㎞から56㎞地点まで7か所目8か所目の上り下り坂が続く。この頃になると、戦闘意欲能力はゼロ(笑)、7か所目の登り坂で通学用のシティーバイクに乗った高校生のアンチャンに軽々と追い越され不様な醜態を晒すw。
56㎞以降は平坦な道を経てゴールとなるのであるが、激しい空腹感に襲われてヘロヘロ状態であった。兎にも角にもドロップアウトせずにゴール!
走行距離;約60㎞、所要時間;3時間13分。46㎞時点までの獲得標高;上昇302㎞、下降294m、消費カロリー408kcal(トータルとしては600kcalは消費したか)最高速度 29km/hr であった。
身体のアクシデントの原因は、明らかに脱水とハンガーノックアウトによるものだったのだろう。
イチロウが自転車で出張る時に、よく飲み食いする理由が分かったような気がする(笑)。次回からエネルギー補給のことをよくよく検討しておこう。
コース自体は良いです。クルマの往来少なく、路面はまずまず良好、得られる景色は美しい。バイク愛好家の皆さんにお勧めのコースだと思われた。個人的には、今度はCinelliで走りたい(笑)。
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