渡辺貞夫氏のコンサートに向けて、事前学習を続けるために、ネット通販サイトを物色しているとこんなCDアルバムを発見。思わずポチる。
# Latin Barock Collection(1965)
渡辺貞夫(fl)、宮沢昭(fl, bs)、中牟礼貞則(g)、松本浩(vib)、前田憲男(p)、八木正生(p)、
滝本達郎(p)、猪俣猛(dr)、能見義徳(per)、山口靖(per)、川原正美(per)、川原実(per)、
伊集加代子(vo)
残念ながら、ボクは渡辺貞夫氏と前田憲男氏しか存じ上げない。
アルバムにはライナーノートが付いていなかったので、このアルバム制作の経緯が分からない。このアルバムの帯に書かれていたキャッチコピーを書き出してみると、
“ジャズ、ラテン、そしてクラシックを結びつけた問題作。いろいろな企画アルバムのなかでも、バッハの「トッカータとフーガ ニ短調」のアフロキューバンなアレンジなど、その奇抜なアイデアは群を抜く………。単なる異色作とは言いきれない質の高い演奏が詰まっている。スキャットの常同、伊集加代子の参加も光る」
なのだそうな。
レコード会社主導の企画アルバムだったのかしら……。65年というと、渡辺氏が米国留学から帰国直後に制作されたものということになるのか。
キャッチコピーのごとく「問題作」というものなのか、後になって聴くボクらからしてみれば、Bach・バロック音楽をJazzしたアーティストとして、ジャック・ルーシェやMJQ(モダンジャズカルテット)が思い浮かぶわけで、そんなに「問題」でも「奇抜」でもない気がする。そうだよなあ、もう50年前の録音なんだもの。60年代のポップスや映画音楽でもバロックテイストのアレンジもあったような気がして、この時代に流行したんだろうな。私め、このバロックアレンジのポップミュージック、割合に好きですw。
ただ、後段の「質の高い演奏が詰まっている」という部分は大賛成。渡辺貞夫氏のフルート演奏(二人クレジットされているからどちらのソロ演奏なのか確証は持てないのだけれど)は、オリジナル部分もアドリブ展開部分も確かな音色とテクニックで思わず聞き惚れてしまうし、前田憲男氏のピアノも効いている。勿論バックのリズム隊もかっちりとして小気味良い。
※ どうも偉そうなというか分かったような事を書いてしまって、申し訳ございません。
ただ、ここしばらく、Nabesada祭りと称して何枚かのアルバムを聴いて来て、どの作品においてもこの方の高い演奏技術に驚き思わず唸ってしまうのだけれど、このアルバム作品の演奏からは、留学から凱旋直後の(多分)意気軒昂な精神状態と留学を経て磨きのかかった演奏技術の発露が感じられて、それらがこのアルバムの溌剌としたアレンジアイデアとマッチしているようであり、聴いていてとても楽しかった。
それにしても、うーむ、色々なアルバム作品を聴けば聴くほど、同氏の音楽をどう理解したらよいのか分からなくなるような・謎が深まるような気が致しますル。
それは登山にも似て、進めば進むほどその山全体の姿が見えなくなるような、山道に迷っているようなそんな状態になっているのであった。
まだまだ“独りNabesada祭り”続けますw。
(つづく)
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