まずは、「Sara Vaughan/ Brazilian Romance with
Milton Nascimento」。
期待に違わず快調な演奏でw、80年代のブラジルテイストのヒュージョンしている。Arranged by Dori Caymmi、produced by Sergio
Mendes 楽曲は主にNascimentoが提供しているとの事であり、米国ジャズボーカルの重鎮をブラジル音楽の錚々たるメンツが迎えて作ったのであろうことは十分に察せられる。そういう事だろうと思うw。
1981年制作。エド・ロボとの共作。ボクはエド・ロボというヒトの作品をそれほど沢山は聴いたことがない。多分良いアルバム作品に巡り合っていないからだろうと思う(また、何時かイチロウ・ジロウに教えていただこう)。全編を通じて、ダンディーな声のエド・ロボと塩辛い声のジョビンの歌声が聴かれる、とても平和的でリラックスした世界。仕事がひと段落した後ぼんやりと聴いていたらとても幸福な気持ちなれた。ジョビンと共演したミュージシャンは沢山いて、そのうちの何枚かを聴いたことになるのだけれど、どのアルバムも、とてもリラックスした雰囲気の仕上がりになっていて、共演者の幸福感がこちらで聴いている者にも伝わってくる。ジョビンの音楽的世界観のなせる業がひとつ、個人的に存じ上げている訳ではないが、ジョビンの人柄によるものか・・・・・。良い感じのアルバムである。
1966年制作。ジョビン、マーコス・ヴァリ、ジルベルトなどの作品をエミール・デオタードが編曲し作成されたものらしい。Warner Bros. Mastersとジャケットに刻印されているからレコード会社が前面に出て企画したのかしら。どの曲にも聞き覚えがあり。90年代に発売されていたオムニバス盤にこのアルバムから切り取られて収録されたものを当時聴いていたようだ。このアルバムで全曲を通して聴いてみて再発見したことがあって、それは「エミール・デオタードの編曲力って凄い」っていう事だった。オムニバス盤で、他の作品と(ランダムに)並べられると、これらの曲の魅力が全く分からなかっただけでなく、どこか古ぼけて野暮ったく感じられていたものだった。そして、これまで聴いてきたジョビン作品におけるオーケストレーションものでは、クラウス・オガーマンの編曲作品が個人的には大好きで、その洗練された響きをこよなく愛でてい、デオダードのアレンジ作品(Tideなど)はオガーマン編曲作品と比べるとどちらかと云えば見劣りして凡庸のように気がしていた(これはあくまでも個人的な偏見です)。
ところがこの度このアルバムを通して聴いてみると、実はもの凄くカッコ良かったことに今更ながら気が付いた。ラテンリズムが強調されていてよりブラジル的だし、ストリングスアレンジもエスニック的要素を上手く表現出来ていて冴えている。ところ何処に入る木管のソロも良いスパイスとなっていて大変印象的であった。
特に#6 Berimbauは良く出来ている。これまでこのブラジルの土着的な楽想がどちらかと云えば苦手で、どの演奏もアレンジの仕方も個人的にはしっくりと伝わって来ず、これまで誰が演奏したものでも敬遠しがちだった。このアルバムにおける彼の編曲では、この曲の土着的要素が上手に表現されていて、その魅力が十分に昇華されているように思えて、個人的には大変嬉しい発見だったように思えた。このアルバムのBerimbau大好きです、ハイ。
特に#6 Berimbauは良く出来ている。これまでこのブラジルの土着的な楽想がどちらかと云えば苦手で、どの演奏もアレンジの仕方も個人的にはしっくりと伝わって来ず、これまで誰が演奏したものでも敬遠しがちだった。このアルバムにおける彼の編曲では、この曲の土着的要素が上手に表現されていて、その魅力が十分に昇華されているように思えて、個人的には大変嬉しい発見だったように思えた。このアルバムのBerimbau大好きです、ハイ。
1987年制作。晩年の彼の活動を支えたファミリーバンド;ノヴァ・バンダとの共演。アレンジは、パウロ・ジョビンとジャケス・モレレンバウムという事らしい。ジョビンの60歳の誕生祝として企画され、制約なしの制作にあたっての全権はジョビン自身に委ねられたらしい。イチロウから教えて貰ったところによると、ジョビン自身は全作品の中でこのアルバムが一番のお気に入りだったらしい(へーw)。
実は、このアルバムは既に持っていておまけにi-podにちゃんと取り込んでいた。何時から持っていたのかも全く記憶になかった。何故こんなヘマをやらかしたのか?それには思い当たるところがありまして、実はボクは最晩年のライブ活動の主体となっていたこのノヴァ・バンダとの共演作品が今一つピンと来てなかったのです。確かに、彼の子どもたちが含まれるバンドの演奏は悪くなかったし、そしてジャケスのチェロの入ったテイストもそれなりの趣があって決して悪く感じられていたのではないけれど、印象が薄かった。
ここでもボクの偏見が働いてしまうのだけれど、もう功なり名を遂げた大家の余裕の顔見せ的ツアーのバックバンドぐらいにしか捉えてなくて(スミマセン、我ながら酷い偏見だ)、音楽的にはそれまでの作品群に比べてもう一つなのではないかと勝手に勘違いしていた。だから最初の#1 waveが始まった瞬間から、もう真面目に聴いてなかったのだろうと思う。
この度、改めて全編を聞き直してみて、上に書いたことが愚かなる私めの偏見であったことにようやく気が付きまして、ご本人並びに関係者各位にお詫びを申しつつ訂正させていただきたいと存じますw。
このアルバムは、実は素晴らしい。このアルバムは記念アルバムの要素を持ちつつも、本当のところはジョビン自身の新たなるチャレンジだったのではあるまいか。ジョビンは、若い音楽家(パウロとジャケス)にそのアレンジを任せつつも、彼ら二人の取り組みやアイデアを上手く受け止めてそっと表現しているようであり、ジョビンの懐でどのメンバーも真摯に演奏しているのが、こちらに伝わってくる。多分、これまでの名だたる名アレンジャーや演奏家が表現出来なかったジョビンの作品の側面を探求しようとしている、そういう様子がふとした瞬間に伝わってきた。そういう事だったのだろうな(と、独り勝手に解釈させて貰いましたw)。
このアルバムは、実は素晴らしい。このアルバムは記念アルバムの要素を持ちつつも、本当のところはジョビン自身の新たなるチャレンジだったのではあるまいか。ジョビンは、若い音楽家(パウロとジャケス)にそのアレンジを任せつつも、彼ら二人の取り組みやアイデアを上手く受け止めてそっと表現しているようであり、ジョビンの懐でどのメンバーも真摯に演奏しているのが、こちらに伝わってくる。多分、これまでの名だたる名アレンジャーや演奏家が表現出来なかったジョビンの作品の側面を探求しようとしている、そういう様子がふとした瞬間に伝わってきた。そういう事だったのだろうな(と、独り勝手に解釈させて貰いましたw)。
これが60歳の時の作品か、集大成と新たなるチャレンジ。ちょっと個人的には思うところあって、この作品からエネルギーを注入して貰ったような気がした。
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