2015年7月7日火曜日

惚れた者の弱みでして.......番外編その2


ポチオの愛機ipod classic(愛称タマちゃん)の復旧が困難となり、デジタル機器に今一つ明るくないポチオとポチベエが二人して暫しあれこれと考えて出した結論は、「取りあえず、appleの公認サポートプロバイダに持って行き相談してみる」と云うものだった。

 
至極まっとうな結論となったが、ポチオはこの手のサービスというかデジタル機器を取り扱うお店の独特の雰囲気:デジタル機器に弱い、従って専門用語を使えないユーザーに対する店員の態度(明らかにそういうユーザーに対する上から目線)を危惧していた。

 
その日の夕方、ポチオは仕事を早めに切り上げて、そのアップル公認サポートプロバイダなるQG社の支店が入っている電気量販店を目指した。

 
ポチオの気分は、次第に「遂にこの愛機ともお別れか?」という惜別の想いで盛り上がっていた。Twitterで「7年(ここポチオの計算違いw)連れ添ったipod classicが終に壊れる。思うところあり、独り蚊帳の中で泣く」と呟く。“独り蚊帳の中で泣く”とは思わず出たフレーズで、全く大げさであったのだが、出た言葉が更に己の気分に影響し、その気分をメランコリー状態にさせた。

 
店頭でタマちゃんを見つけて、愚妻に断りを言って購入し独りニンマリとしたなあ。その後は、次々と所蔵していたCDを取り込み、更には愚息と興味のある新しいクラシックCDをポチってはせっせと聴いていた。プレイヤーであると同時に持っている音楽ソフトの貯蔵にもなってい、本当に重宝したものだった。

 
そんなことを思い返しながら、電気量販店に向かっていたのであったが、先の呟きに「私も最初のipodが壊れ時は、淋しかった…….」「献杯……。」などと他の方々からリツイートされると、ポチオの気分は、更にメランコリー自家中毒状態となり、まるで愛猫を失った作家先生のごとくの気分となるのだった。;“あ! この事blogに書いちゃおうw”とポチオからマサキに意識が戻り、そんな邪な考えが湧いてきたw。

 


ポチオが市内中心部にある家電量販店にあるQJ社に辿り着いたのは、「本日の修理受け継時間の午後730分まで」の15分前だった。

 

受け付けの男性が愛想良く、「i-phoneの修理ですか?」と問う。ポチオは思わず「スミマセン、ipodなんです」と応答してしまう。“そうか主力商品は、i-phoneなんだよねえ”。瞬時にそんな現実を知ると、最初から気が引けてしまっていた。

 
しばらく待つこと数分、タブレット端末専用のコーナーに案内される。応対してくれた担当者は、30代前後であろう若い男性。
 
 

 

「今日は、どうされました」と問うので、ポチオはやや緊張気味に、「i-pod classicが壊れてしまって、液晶画面にバッテンマークが出て、あの駐禁マークみたいなやつ。それで、アップルのサポートサイトで調べて指示通りの事をしたのですが、どうも復旧しないんです……。」

 担当の若い男性、早くも「は?」という怪訝な表情を浮かべている。「まあ観てみましょう。ここのパソコンにつないでみますね。」、そして「ここのパソコンでは、対処できないので、奥のパソコンで起動を試みましょう。中のデータは全部消去されますが、宜しいですか?」

 
「ええ、どうぞどうぞ。治るのであればデータくらい問題ないです。是非お願いします。」気おくれしてしまっているポチオは、つい馬鹿丁寧な態度となる。その男性更に怪訝な表情を浮かべ、その後は事務的な態度となる。そして、「では少々お時間をいただきますが、今しばらくお待ちください。」とつい立ての裏側に行ってしまった。

 
“何をされるのか分からないが、治ってくれるものならば待ちますともw”、ポチオはまるで犬猫病院に飼い猫を預けた時のような心持で暫く待つ。それにしても長かった、待つこと30分。再びその男性がカウンターまでタマちゃんを持って帰ってきた。

 
「やっぱり駄目ですねえ。パソコンでは再起動できませんでした。ついては、修理工場に送ります。本体を交換することになります。ええっと……。」その担当者が、マニュアルのようなファイルを取り出して価格を調べている。「i-pod classic160GBのタイプの本体交換は、15,000円になりますね。如何されますか?」

 
ポチオ、「うむ、ええそれでお願いします。」“買い替えるより、断然安いし。そのぐらいの値段で事が済むのであれば、安い。後でポチベエに報告しなくちゃ”

 
その担当者が云うには、 所要期間は1週間以内、早くで3-4日で仕上がるとのこと。それからもう一点気になることを彼に尋ねてみた。それは、“何時頃までipod classicのサポートが受けられるだろうか?”ということだった。

 
彼曰く「ハッキリとしたことは言えないが」と前置きし、“後もう1-2年くらいではないだろうか?次期新製品が発売されたら、その時点でサポートを終了する可能性が高いだろう”とのことであった。

 
このQG社の対応マナーはすこぶる良かった。ポチオ/マサキのようなデジタル機器に疎いオッサンに対しても、丁寧な応対であった。ここに付記しておこうw

 
そのお店を離れてから、早速ポチベエ/ イチロウにmessengerにて報告する。早速彼から返信あり。「良かったね。但し、本体交換って何を意味してるんだ?ハードディスクの交換か?ちゃんとそこを探っておくようにね。ただただ、マサキの騒動記を読む羽目になるのは御免だぜ。ちゃんとそこは科学的事実を調べておけよ」だと。

 
“とほほ、機械に疎いオイラになんというリクエストw。折角、愛猫を失った作家気分でblogを書こうと思っているのにさw。わかりました、引き取る時にちゃんと聴いておきますw。”

 
それにしても、買い替えにならなくて良かった。あの担当者のいうところによれば、日曜日には手元に返りそうだった。独りJobim祭りも長い間隔を経ずして再開できそうであった。ipodの修理を待つ間に、新たにポチッたCD等も手元に届きそうだ。その間は、前回i-tuneに取り入れたjobimの曲を聴き直しても良いしね…….

 
この度のi-pod classic故障アクシデントでは、思わぬ出費を強いられることになったものの、短い期間で最小の犠牲でリカバリー出来ることになり、ポチオはホッと胸を撫で下ろしたのであった。

 
後日、土曜日夕方に修理が終わったのとの連絡が入り、翌日日曜日夕方にQJ社に引き取りに行った。別の若い女性が担当してくれたのだが、ポチベエからのリクエストを果たすべく、ポチオが恐る恐るその担当者に本体交換の意味するところを尋ねてみた。

 その女性にっこりと笑顔でいうには、「ええ、中身全部です。製造シリアル番号も変わりました」とのこと。ポチオ「ハードディスクも、メモリも全部ですか?」。「そうですね(笑)」

 
 

ということは、ボクの手にしているのは、頭脳も性格も入れ替わったもの?タマちゃんとは全く別人格のニュー・タマちゃんになってしまったのか。人造人間?フランケンシュタイン? ポチオは自分の例えで更に混乱していたのであったが、早い話がほぼ新製品に近くなったということになったみたいだった。

 

帰宅後、夕餉時に家族には何も告げず、独りワインを開けてタマちゃんの快気祝い~これは間違っていた~ではなくて、ニュー・タマちゃんのウエルカムパーティーをした。機械に疎いポチオは、未だに頭の中の整理がつかないでいたが、何となくこのニュー・タマちゃんと歩むこれからの人生の成り行き、それは恐らく次はないだろうという、このニュータマちゃんの限られた将来と己の後半人生と重ね合わせて、しみじみとした中にも何か穏やかで暖かい陽だまりのようなものを想像してみるのであった。
 
 
 
終わり

 

0 件のコメント:

コメントを投稿