1月15日の三原地域へのドライブの帰路途中に安芸津にある中古レコードショップThis Boyさんに立ち寄った際に偶然出会ったSammy Davis JRのLPアルバム「Something For Everyone」。Sammyのボーカルもさることながら、恐らくモータウンのスタジオミュージシャンなのだろうけれど演奏もファンキーでご機嫌な内容だった。特に、1)Spinning Wheel、6)And When I Die、8)You’ve Made So Very Happyは大変印象に残り、ライナーノーツで確認すると、オリジナルはあのSweat, Blood &Tearsであった。
そのだったのか! S,B&Tがブラスロックの雄であり一時代を音楽シーンに残していたことは知っていたのだけれど、これまでは全く聴いたことがなかった。ブラスロックで云えば、Chicagoの初期作品、日本で云えばスペクトラムを学生時代に聴いていて好きなジャンルであったのだが、S,B&Tは全く手を出してなかったな。この際上記3曲をオリジナルと聴き比べて、ついでにS,B&Tを聴いてみることにした。
ネット通販でポチッたのは、SONNY MUSICから発売されていたORIGINAL ALUBUM CLASSICS/ BLOOD,SWEAT&TEARSで、1st albumから5th album(1968~1972)であった。残念ながらライナーノーツの類がなかったために、このグループの概要についてはwikipediaからの情報を参考にした。なんでも、グループ結成の中心的役割を果たしたのはAl Kooper
(org, vol)とSteve Katz(g)だったらしいのだけれど、1st albumの発表後、Al Kooperがどういう経緯か分からないのだけれど“排除”される形で脱退、その後volにDavid Clayton Thomasを向かい入れ、phone sectionの一部を入れ替えて(トランペットのRandy Breckerが抜けて、Lew Soloffが加入など/ この二人のプレーヤーは個人的にとても好きなのだけれど、ここで言及することは割愛)2nd
album以降の制作を続けたらしい。
だから、1st albumのクラッシク、ヨーロッパ的ポップス、ボサノバ風、フォークロック調などの多彩な曲想を包含する内容から2nd albumの雰囲気はどちらかと云えばブルース、ジャズ的要素が強まり、D.C.Thomasの力強いvolも相まってより力強い演奏内容に変貌していた。特に2nd album 「SWEAT, BLOOD,&TEARS」は音楽的、商業的に大成功を収め彼らの代表的作品になったようである。確かに緻密なアレンジのphone sectionは聞きごたえがあるし、それから見過ごせないのはリズムセクションのBoby Colomby(dr)とJim Fielder(b)で、確かなタイム感、グルーブ感を出しとても良い仕事をしている。久々に演奏そのものに聴き入ってしまった。演奏技術、曲想ともに凄いグループですわ。そして、件の3曲の聴き比べだけれど、個人的な結論としては、どちらも捨てがたい。サミー作品は、モータウン系のグルーブ感が強調されているし、B,S&T作品には、ロック・ジャズ寄りの力強さがあった。
でもねえ、実は個人的には1st album「CHILD IS FATHER TO THE MAN」の方により魅力を感じずにはいられなかった。多分Al Kooperの嗜好・試行が強く反映されていた筈の作品で、その中に私の好きなボサノバ調の曲「without
her」を取り上げていた。そのセンスなかなか捨ておくには行かないでしょうw。
そこで、B,S&Tの3rd以降の3作品については斜め聞きしてまた追々ゆっくり聴くことにして、Al Kooperを追っかけることにした。
このヒトの来歴ついて、wikipediaに載っている情報を拾い読みすると、1944年ニューヨークブルックリン生まれ。1965年Bob Dylanのアルバム「追憶のハイウェイ61」制作の際、あの「like a rolling stone」の録音の際にオルガンを加えることを提案し、飛び入りで参加したとの事…….、スゲー! あの印象的なオルガンはこのヒトだったのか!!。オルガンの音がこの作品のニュアンスや深みを与えていると思っていたけど、このヒトの発想だったのか。もう一度、スゲーw!このヒトのアメリカ音楽の位置づけは今となってはよく分からないのだけれど、Bob
Dylanの他にもサイモン&ガーファンクル、ローリングストーンズ、ジミー・ヘンドリックスなどとも仕事をしているようで、オルガニストだけではなく、ソングライター、プロディーサーとしての側面も持っていたようだ。
早速、ネット通販のこのヒトの作品の中で以下の3作品をポチって聴いてみた。Mike Bloomfield(g)、Steve Still(g)と共同名義の「Supersession」(1968)、同じくM.Bloomfieldとの「the Adventure of Mike Bloomfield and Al Kooper」(1968)、ソロ作品「Naked Songs」(1972)。結論から述べるとこの3作品どれも良いですw!セッションものでは、ライトロックからブルースまで幅広く取り上げられていて面白いし、Naked Songsの3) Jolieなんて後のウエストコーストサウンドチックで思わずニンマリとしてしまった。前2作品を録音した時は、このヒトまだ24歳ですぜ。B,S&Tの1st albumとこれらの3作品を聴いただけでも、この若さにて示す幅広い音楽性と知識に裏打ちされていたのであろう発想力の豊かさ、そしてセンスの良さには参ってしまった。このヒト、無茶苦茶好きですわ~w なんで今までこのヒトの事を知らなかったかなあ、いつもながらに己の無知さを嘆くw
ホント良い音楽と出会ったと思っていて、久々の幸せ感を得られた。ということで、Al Kooperの初期作品コレクションを次にポチってしまったのだったが、もうしばらくこのヒトの作品を掘って行こうと思っているw
(多分、この作業続ける)
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