それにしてもイチロウは、今まで独りでこのルートを楽しんでたのかw。私がつい先ごろまで「坂道嫌い嫌い」と言い続けていたから、この道の存在を私に言えないばかりが誰にも言えなかったんだな。好きなモノを誰にも分ってもらえないのは可哀想だったw彼には本当に寂しい思いをさせちゃったねえw。今度からまたこのルート一緒に走らせて貰おう。
その坂を下り突き当たったT字路に到達したのが、午前9時25分頃。暫く休んでそのT字交差点を右折。同じ国道433号を進むがここからは加計街道と呼ばれている道となる。大変緩やかで見た目ではあまり感じられないほどの下り基調の道が続きペダルを廻す脚も軽い。グッと交通量が減り、気持ちの上でものんびりと走行できる。やはり左右に高い山があり谷間になっているのだけれど、湯来・湯の山街道の谷間より広く伸びやかな風景が広がっている。やや向かい風を浴びていたが、谷間に吹く風は涼しくて誠に気持ち良く苦にならず。
それにしてもこんなにのどかで美しい風景が広島県にはたくさんあるんだな。自転車で山坂道を楽しむようになると、再発見出来きるものが多々あることに気づく。I love Hiroshimaです。もっと我が郷土のことを知るべき勉強すべきだなと思った。
加計街道に入って、自動車の交通量も少なくなって道自体も大変走りやすい箇所の筈なのに、不思議とサイクリストには出会わず。こんな気持ちの良い街道をサイクリストが見逃す筈ないのだけれどと不思議に思うが、一方で沢山押しかけられても困るなとも思う。出来ればイチロウと私の秘密にしておこうw
やがて加計街道は太田川沿いを走るようになった。陽射しも午前10時頃になると夏の様相を呈して眩しくなっていった。このまま自転車を停めて、川の中にバシャバシャと入りたい気分になるが、気分だけ楽しむことにする。
午前10時頃、国道433号が国道191号に合流するT字交差点にたどり着く。右折し広島方面に、なおもしばらく太田川を右に見ながら走る。しばらく視覚的には分からないがやはり緩やかな下り基調なはずなのだが、国道191号に入ってから妙にピッチが上がらず思うようにスピードが出ない。もう少しスピードを上げたいのにと不思議に感じていたのだが、よくよく考えてみるに、そろそろ両脚に疲労が溜っているようだった。それなりに山坂道をこなしてきているものな、ドリンクホルダーに収めたボトルの水も残りわずかとなってきたし、どこかのコンビニでも立ち寄って水分補給と休憩を取ろうと思ったのだが、加計街道も国道191号も道路沿いにコンビニがなかった。ムムム……。
そんなことを考えながら走行を続けていると、前方から“如何にも猛者です”というオーラを発して高速走行しているサイクリストがやって来た。一応、「ちは」と会釈したが、その猛者、私を一瞥しただけで後方に走り去った。またしばらくすると今度はちょっと小柄だけれどやはり高速走行しながらやってくる猛者出現。再び「ちは」と会釈するが、そのヒトもこちらを一瞥して後方へ走り去った。
どうも国道191号を利用するサイクリストは愛想なしの猛者が多いな。本気モードを発しながら単独走行しているヒトを上の方を入れて4人ほど見かけた。或は、一応こちらもガタイだけでかいオトコだから猛者と思われて牽制れたのか?~ボクはガタイがごついだけの似非猛者(エセ・モサ)なんだけどなあ。エセ・モサ? エセモサってなんか響き良いなあw Jazz Sambaの曲にありそうな名前だなあ、それはミニナ・モサだろう…..w って独りでボケて独りで突っ込んだ(これ走行しながら頭の中で遊んでいた)。そんなアホなことを考えていたら、少し疲れが和らいでとにかく前進することにした。
やがて、国道191号を右折して県道39号に入り安佐南区伴地区を目指す。イチロウからの情報で“ちょっと坂道になるよ”とのことだった。その前に、休憩と水分補給をしたいのだけれどと思いながら緩やかな坂を登坂し始めたところで、幸運にも道路沿いのコンビニを発見。エカッタ!
スポーツドリンクを500ml腹に収めて、ボトルにミネラルウォーターを補給。左足底部に妙な疼痛を来していたので、腰を下ろしてシューズを脱いで両足を休める。「もうこの先は小高い丘を越えたら伴地区に出られるのだろう、その後は田方までポタリングで坂道を上ればいいもんね。今日の勝負はあらかたついた~良いサイクリングだったなあ」なぞと独りほくそ笑みながら休息。そして、再び目の前に続く緩やかな上り坂の登坂を再開した。
だが、しかしだった。
この坂は勾配は緩やかなのだけれど、やたらと長かったw。ランドマークとして山陽道の高架が見え始めひとつの目標(勝手にそこがこの坂のピークだろうと想像し)としてペダルを漕いでいたのだが、高架を潜ったと思ったら道は大きく右に曲がり、なんと再びその高架の下をくぐり所謂大きなS字カーブをして登り坂が続いていたのだった。この時は、すこし心が折れかけそうになったwのだが、登らないと帰れない訳で、ペダルを廻すことに専念した。その坂道をピークは団地のようになっていて、その団地を抜けると下り坂になっていた。この坂は、とんだ伏兵だった。このコースの伏兵坂として、西風新都Aシティーの登り坂とこの県道39号線の坂道を記憶しておこう。
伴地区のアストラムライン沿いの道に出てからは、車道を走ったが交通量が圧倒的に多く、自転車で走るには適してなかった。大塚から右側の歩道をポタリングに切り替えて田方方面に向かった。
田方へ向かう上り坂道途中のコンビニで最後の休息。気温は恐らく28℃を超え始めて陽射しは真夏を思わせるものがあり、冷たいものが欲しくなった。抹茶スムージなるものを購入し、外で夏の日差しを浴びながらいただいたのであった。涼を得られてホッとした。
しばらく休息後、夏の様相を呈した強い陽射しを浴びながら、田方の坂を越えて帰宅したのだった。帰宅時間午後12時5分頃。
今回の総括。
走行時間;5時間強(途中休憩を含む)。走行距離は測っていないのだけれど、約60㎞程度と思われる。両大腿にはそれなりの疲労を感じられたが、お尻の痛み、両肩の傷みは然程感じられず。Cinelli/ superstarにフレームを変更後、走行感覚も快適となり、その分身体への負荷も著しく減少したようである。
坂道の醍醐味は、下り坂にあるのだけれど、経験知(値)が徐々に増えていくと登坂の際に過去の経験が活かされてくる訳で、なだらかな上り坂であれば“攻め坂”としてピッチをキープすることに専念し、勾配のきつい上り坂であれば例えば今までで一番きつかった坂道を想い出しながら走ると精神的負荷が減りモチベーションを維持できることを発見した。
この度のコースを走り終えて感じていることは、この2か月坂道走行を目的としていたけれど、広島にはいたるところに有名・無名の坂道があるわけで、そのバリエーションをただ楽しめば良いのだと思えたこと。ずっと平坦な道を走って暫くの間あまり変わらぬ景色を眺めているよりは、上り下り前後の劇的に変化する景色に大いに心を動かされる方が随分楽しいのではないかと思えたりした。
己の現在の状態として、見てくれはごついけれど他のサイクリストと比べると走行実力の程はまだまだのエセ・モサなのだから、今後もなるべく目立たず、謙虚に走るべしと肝に銘じるのであった。(おしまい)
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