春雷を/ 聴きつつ喰らう/ カツカレー/ 鳰の海辺に/ 散る花想いて
先日、仕事の合間に若い同僚と雑談していた折に、先月びわイチのサイクリング大会に出たことを話した際、つい調子に乗ってCoCo壱番屋滋賀県限定メニューの「鹿カツカレー」を食べた話をしてしまった。話している間に、鹿カツの味わいが口腔内に蘇って来てw、何ともあの味わいが忘れられず、そうするとカツカレーが無性に食べたくなった。
本日仕事の都合で夕食を実家で摂ることになったので、(豚)カツカレーを作って食べることにした。
まずはカレーを作る。
カレー好きの男性諸氏ならば、夫々にその作り方にこだわりがあるのだろうと思う。あるヒトは、香辛料の調合から始められる方もいるだろう。またあるヒトは、隠し味に、トマトを入れる、ワインを入れる、いやいやヨーグルトを入れる等々、夫々にこだわりや工夫があるのだろうと思う。学生時代にある後輩などは、「牛筋やそのほか野菜を煮込み、そのスープを使って、別にソテーしたロース肉とすりおろした野菜を軽く煮込み、自らスパイスを調合したものを加えて、ヨーグルトを入れて仕上げにチャツネを入れて作ります」と自慢している奴もいたなあ。
ボクの場合、そういうこだわり一切なしw。使うルーは市販のもので、それも「ハウスバーモントカレー・甘口」。その他追加する隠し味も香辛料も一切なしw。辛いモノ苦手なのであります。出来たら、これに更にリンゴをすりおろしたものを加えても良いくらい。
1)まずは、わりと大きめの鍋に水を半分くらい入れて、乾燥ローレル葉っぱ2枚と固形コンソメスープを一片入れて沸かす。
2)その間に、シチュー用の牛肉こま切れを更に半口サイズに切って、塩コショウを振りかけておく。フライパンにサラダ油大さじ2杯程度入れて、みじん切りにしたニンニクを焦げないように軽く炒めたところに肉を入れて軽く炒める。肉に焦げ目が付いたところへ1)の鍋に投入。
3)玉ねぎを一個半分、薄く千切りし、それをサラダ油大さじ2杯程度投入したフライパンに入れて、焦げないように気を付けながらきつね色になるまで炒める。きつね色になるまで中火で炒めたらそれを先ほどの鍋に投入。
“そうそう、こうすると玉ねぎの甘みが出て良いんだよな”と思ったところで、そもそも論を想い出した。
20代半ば頃に世間では、タイ料理などのエスニック料理がブームだった。その頃は、人並みにそれらの料理に興味があり、ある女の子(うちのカミさんだったかどうかちょっと記憶にないw)とタイ料理屋さんに出向いたことがあった。迷わず、世界3大スープと云われるトムヤムクンを注文し、期待に胸を膨らませながら待っていたのであるが、実際に出されたものを口にした途端、“しまった”と思ったw。
辛いのに酸っぱいw、おまけにパクチーのへんてこりんな匂い!その時つくづく思いました、“世の中に食えないものがあっても良い”と。
そう思った瞬間から味覚の保守化・退行現象が始まって、辛いモノは苦手になり、珍しいものは食べられなくなった。今ではイチロウから“お口の王子様”と笑われるようになっている。
ああ、“お口の王子様”で思い出したのだけれど、そう云えば、子どもが幼児の頃、いまでもあるのかしら「カレーの王子様」というメーカーは思い出せないであるが、そんな幼児用のカレールウが売り出されていて、よく子どもと食べましたw。それ以来、甘口カレールウを好むようになったのであったなw。
4)さて、お鍋の中のものは引き続きコトコトと煮込んでいる間に、ニンジンを一本と、ジャガイモ(北海道産の新じゃがらいしい)2個をそれぞれに皮をむいて、一口サイズに切り、鍋の中に最初に人参を投入し、10分遅れでジャガイモを投入。ジャガイモを入れてから15分ほど煮込む。
5)そして15分後に、ハウス・バーモント・カレー・甘口を適量(今回は3/ 4箱分)入れて出来上がり。
先日、msnのニュースを見ていたら、現在中国でこのハウス・バーモント・カレーが良く売れているのだとか。メーカーが、パイロット店舗作り、中国のヒトの好みを調査したうえで同国市場に投入、日本のものより黄色味が強く同国のヒト好みにアレンジしているだとか。西城秀樹が「ハウスバーモントカレーだよう」と歌いながらコマーシャルに出ていた時代よりのロングセラーの上に、今では海外にも進出しているなんて、全く偉い商品だと思うw。
さて、カレーが出来上がったところで、トンカツの制作に取り掛かる。
6)豚のステーキ用肉を取り出して、夫々の両面に軽く塩コショウしたうえで、包丁の背で肉を叩き、更に木べらで押し付けるようにして引き延ばす。
7)衣は、ボクの場合、全卵と牛乳100mlと適量の薄力粉をボウルの中に入れて良くかき混ぜる。その中に、豚肉を投入し、衣つけ第一工程とする。
8)バットの中にパン粉を適量入れて、衣つけ第一工程を経た肉片をその中に入れる。パン粉はしっかりと付くように、肉にパン粉を手のひらで押し付ける。
7)と8)の工程で、やや厚めの衣が付くことになるのだけれど、カレーと一緒に食べる場合はこの方が却って美味しく思える。でも、これは好き好きかw。
9)フライパンにやや多めのサラダ油を入れて、フライパンが熱したところで衣付豚肉を投入。揚げずに焼いちゃう。その方が、時々しか料理をしない者にとって、後の油の処理が楽だし、カツをフライパンで焼くと焼きムラが出来て美しくはないが、結構おいしいですぞ。ただし、中火でじっくりと焼くことが必要。今日は、7-8分かけて焼きました。
さて、この工程でハプニング発生。突然台所に入ってきて、「俺も喰っても良いか」という奴がいる。カツは1枚焼いて、残りの2枚は冷凍保存にしようと思っていたので、そちらは十分にゆとりがあるのであったが、生憎ごはんが一人分しか残っていない。“仕方ない”と諦めて、まずは喰いたいオトコに先に食わせて、もう1合を炊くことにする。
残りゴハンをよそい、焼き上がったトンカツを一口サイズに切ってゴハンの上に乗っけ、そしてカレーを入れて、その野郎に振る舞う。奴め、「おお、これは旨い!」とお世辞もあろうが、バクバクと食べている。そうでしょ、出来合いのトンカツじゃないのだもの。それにハウス・バーモント・カレーはどう作ったってそれなりの味にはなるけんねw。
そんなこんなをしていると、戸外で雨脚が強まり、暫くの間雷鳴が轟いていた。
“ああ、春の宵の雷鳴かな……。これで桜も散ってしまうのだなあ。”と思っていたら、ふと「四方より花吹き入れて鳰の海/ 芭蕉」の句が思い出された。そして無理矢理ひねり出したのが、冒頭の短歌もどきw。
おお、我ながら綺麗にまとまりました”と独り満足に浸り、気分良くなるw。
結局ゴハン一合が炊き上がるのを45分間待って、独りで戸外の雷鳴を聴きつつ、びわ湖に散る桜の花びらを思いながら、カツカレーを喰ったというお話。大変美味しゅうございましたw。
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