2015年4月14日火曜日

イチロウ、マサキ、春の白木街道を往く

びわイチが終わり、日常生活に戻り筋肉痛が癒えた頃、3月下旬だっただろうか、イチロウより、「マサキそろそろ暖かくなってきたところで、三次まで一丁走ってみようぜ」との誘いがあった。「良いコースを見つけたんだよ。国道54号線じゃなくてさ、三篠川沿いを上がっていくんだよ、そんなに急な勾配もなさそうだし、ざっと140㎞くらいかなあ。ただ、帰りは基本下り坂だから、結構楽なはずだよ」と。

 私は、何気なく「ああ良いよ。まあ、びわイチで140㎞以上走ったことだし」と応じた。びわイチを経験したこともあり、100㎞越えの身体的負荷がどの程度か分かっていたし、走れないこともないだろうと踏んでいた。

 イチロウの解説によると、三篠川沿いの幹線道路は県道37号線で広島市内と三次を結んでいて、別名「白木街道」と呼ばれている。ネットで調べても、街道名の由来は分からなかった。ただ面白いのは、太田川水系である三篠川を上っていくとやがて三次手前の向原地区に至り、ここが標高200m程度で分水嶺になっていて、そこから三次盆地が始まり、日本海側に注ぐ江の川水系となる。即ち三篠川の上流に向かっていくと向原地区の峠を越えると今度は江の川の下流に向かって走ることになる。ちょっとどんな具合になっているのか面白そうに思えた。

 
412日午前730分に、芸備線(広島駅から三次駅を結ぶ)の安芸矢口駅に集合することになった。事前にイチロウより私の自宅から当該駅まで自転車だと30分くらいで来ることが出来るだろうとの予告であったので、自宅を午前7時に出るつもりであった。

 


当日、きちんとw630分に起床し、身支度を整えて予定通り午前7時に出て、太田川の土手沿いの道を自転車で進んだ。早朝から土手沿いの遊歩道にはジョギングをする人たちが散見されて、夫々にとても気持ちよさそうであった。天気も薄曇りながらも晴れて穏やかな春の日が始まっているようであった。但し川べりに吹く風は冷たい。Gilberto’sチームジャージにレッグウォーマーでは腰から下肢が冷えて、やや心許なかった。



 

それに思いの外安芸矢口駅が遠かった。おまけに駅付近に辿り着いた筈なのに、案内表示板が全くない。午前8時近くになっても駅に辿り着けないので、イチロウに電話を入れ、遅刻を詫びる暇もなく指示を聞く始末であった。
 
 
 
 

それでも8時過ぎに安芸矢口駅に辿り着きイチロウと落ち合う事が出来、早速出発。暫くは、太田川からその支流である三篠川の土手沿いの遊歩道を進むことにした。

 

 
 
 
三篠川の堤防上には細い舗装された道があり、堤防の左右の下草は綺麗に刈られてうつくしい。向う岸の山には広葉樹が広がっていて、所々に新緑が認められ、川の水は前々日までの雨の影響かたっぷりとした水量が緩やかに流れていた。

 
思いの外、穏やかで美しい眺めが広がっていて、自転車初心者にとっても楽しめる良いコースのように思えた。さらに季節が進んで初夏や秋などに川べりでピクニックやバーべキューをしても気持ちが良さそうであった。

 この先を向原地区手前まで、三篠川沿いの径や県道37号線からところどころ左手に並行して走る旧街道を利用しながら三次に向かって進む。

 
旧街道沿いでは、単線で電化されていない芸備線の線路を真横に見ながら走った。タイミングが良ければ、芸備線を走るディーゼル車両を間直に見ることが出来るだろう。テッチャンには堪らない光景だろうなとイチロウと笑う。

 
やや勾配のきつい峠を越えて、午前930分過ぎに、安芸高田市の白木地区に至る。県道37号線沿いのコンビニで小休止を取る。私は迷わず、水分と栄養補給に走るw。びわイチ以来、摂取できる時に十分な水分と栄養は補給しておくべきであることを学んでいた。缶コーヒーに明太子入りおにぎりを腹に収める。



 

 
 
 
 
 
 
 
再びしばらく旧街道沿いに戻る。丁度、駅に電車が止まっていたので、写真を一枚。良い眺めである。今度来るときは芸備線を使って輪行し、三次から庄原辺りをツーリングするのが良いかも。

 


芸備線、県道37号線・旧白木街道が、三篠川でできた谷間を走っていて、左右に広がる山々や田畑の風景は、のどかで素晴らしい。広島に住んできたのに、全く知らない初めての風景であった。

 

 
 
 
向原地区手前で再び県道37号線に入り登っていくが、目に見えないわずかな上り勾配のようであり、ずっと向かい風を受けて走っているために思うようにスピードが出ない。あっという間にイチロウにちぎられ大幅に遅れる。ひたすら、県道を走っていると、イチロウが道路端に自転車を降りて立っている。「ここだ」と手招きしながら待っている。「ここのじょうもんアイス有名らしいぞ、喰っていくべ」という。

 
 


白木地区を出発して30分も経っていなかったと思われたが、自転車ロングライドの際には、“喰える時には喰っておくべし”という教訓を得た私としては、反対する理由はなく、素直にイチロウの提案を受けて店の中にはいる。私は「じょうもんアイス」と「神の蔵アイス」のダブルを注文。誠に旨し!さっぱりとして優しい味であった。疲れが取れました。なんだかすこし元気が出て来た。

 

ここから先が、この度のハイライト向原地区の峠坂が始まる。しばらく向かい風を受けつつと決してきつくはないが長い上り坂を進む。イチロウは早くも先を往き、私は私のペースでゆっくりと登って行った。そしてピークを過ぎると、緩やかな下り坂を気持ちよく降りる。

 

その坂を降りると、国道54号線沿いにある安芸高田市吉田町に向かう三叉路があり、その交差点にあるコンビニにはバイクのツーリング集団らしき人たちが休息を取っていた。そう云えばここまでの道中で自転車ツーリングしているヒトも散見された。この白木街道は二輪族にとっては、誠に良いコースなのだろうなと思われた。

 

しばらく走ると、今度は左手に江の川が見えて来た。我々の進行方向に川が流れている。正しく分水嶺を越えた実感が湧く。暫くするとイチロウが待っており、左手に入って川沿いを走ろうという。その通りに進む。更に左手には国道54号線も並行して走っているのが見える。三次に近づいてきたようである。

 

江の川の堤防にも径が設けられている。ふと川面を見ると、鵜が浮かんでいる;おお三次と云えば鵜飼漁!、それから先ほどから雲雀の啼く声も聴こえてきている。雲雀好きの私としては大変感動w。間直で雲雀が飛翔するのも見えた。これはラッキーw!。来た甲斐がありました。

 

暫く進むと、県道37号線が終わり54号線に合流。本当は、三次市内のJR三次駅を折り返しポイントとしたかったが、時刻は12時に近づきつつあり、復路の事を考えるとそれは断念せざるを得なかった。中国縦貫道三次インター1㎞手前の国道沿いにあるうどん屋で昼食・休息を取り、ここを折り返しポイントとした。

 


おにぎり2個と天麩羅うどんを食べて空腹と疲れを癒し、30分程度休息。店の外で軽く肩と両脚のストレッチをして、午後1230分頃に出発、基本的には来た道をひたすら帰ることにしたが、復路は旧街道を使わず、主に県道37号を走った。

 

30分程度は腹ごなしもありゆっくりと走ったが、お腹がこなれてくると少しペースアップ。イチロウも往きは私に合わせてゆっくりと走って来てので、少し物足りなかろうと思われ、先ほど通過した吉田別れの三叉路にあるコンビニで落ち合う事にして、それぞれのペースで走ることにした。イチロウあっという間にペースを上げて、ちぎられる。本当に見えなくなってしまった。

 

何故か帰りも向かい風、一体どうしたことだ。再び向原地区まではなだらかな目に見えない程度の登り坂であるため、思うように進まず。イチロウを追走することは早々と諦め、周りの景色を眺めながら走る。辺りは明るく春の陽気が包んでいる。両側の山々の景色は美しい。

本当ならば、立ち止まって何枚か写真を撮りたいという想いに駆られるが、ここは我慢でひたすらペダルを漕ぐ。

 


やがて休息ポイントのコンビニ辿り着く。コンビニ入り、血糖値を挙げるために、アイスクリームを購入。コンビニの駐車場に座りアイスをかじっていると、吉田町方面からやって来て県道37号線を広島方面に走り去ったバイクの兄さんが居た。如何にも速そうな風体である。“ああ、イチロウに火が付いたな”と思うw。

 

「次の集合ポイントは来る際に休憩を取った白木地区のコンビニ前ね」と話し、再びそれぞれのペースで走ることにした。帰りの向原地区の峠は勾配が緩やかでそれ程の苦も無く通過することが出来たが、あっという間に再びイチロウにちぎられ見えなくなってしまった。ここから先は基本的には下り坂であったので、漕ぐ分には楽であったが、反面股間の痛みが強まっていてこれには多少閉口したw。個人的には、100㎞を越えると股間が痛くなるようであり、ひとつの課題だなとひとり思う。やはり100㎞を越えるツーリングの時には、パッド入りパンツを2枚重ねすべきか。

 

苦痛を覚えつつペダルを廻していると、やや予定よりも早く白木地区のコンビニ前に辿り着く。イチロウが待っていて、「早く着いたからまだ休まずに走ろう。一時間前後走った先のコンビニで休もう」ということになる。

 

更にイチロウあっという間に見えなくなるw。わたし、ボチボチとポタリングペースで走る。股間だけでなく、両肩、腰の凝りによる痛みがピークに達しつつあったが、春の陽光に輝く左右の山々の新緑を眺めていると、自転車で出て来た甲斐があったとしみじみと思う。

 

それにしても、イチロウと私の体力の差は如何ともしがたい。去秋のしまなみ海道サイクリングの頃はもっと走れた気がするし、びわイチでもこんなものではなかったと思うのだが。

 

やっぱり、もうそろそろ“燃え尽き症候群”を返上して、トレーニングを再開しないとなあなどと思う。今シーズンもやりますか?

 


その後、上深川地区のコンビニで休息を取る。この辺り広島市に近づいたこともあり、往来も人気も賑やかさを感じる。すっかりと広島に戻って来た気分となる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
この辺りから交通量が増えてきたため、再び三篠川の土手道を使って帰ることにする。土手沿いには、近隣の人たちが散歩していた。イチロウがふと自転車を停めて、「向う岸の風景がヨーロッパぽいよな」と写真を撮り始めたので、私もつい写真を撮る。そうしていると向うからクラシックなカメラを首からぶら下げた初老のオジサンがやって来て、同じ方向にカメラを向けた。しばしイチロウがその初老のオジサンに話しかけて、カメラ談義をしている。春の穏やかな午後の風景ではある。
 
 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
その後も、その川沿いをポタリングしながら下る。結局、安芸矢口駅付近には午後330分頃に到着。そこからそれぞれの自宅までポタリングしながら帰ったのであった。

 





私はイチロウと別れた後、太田川沿いの遊歩道を下ったのであったが、多くのヒトが思い思いにジョギングしていて、春の休日の川べりの平和的な光景を見る。

 

良いですね、日本の春景色。

 

結局自宅からの往復では140㎞程度走ったことになった。所要時間;往路5時間程度、復路4時間程度である。途中水分と栄養を十分に取りながらの行程であったので、脚を攣ることはなかった。体力的な疲労感もびわイチに比べると酷くはなかった。ゆっくりとしたペースであれば、140㎞の走破も可能であることを確認。ただやはり一人だと飽きてつらいだろうから、連れは必要だろうと思えた。

この度のルートはこちら。
 http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=f79f813e5bbd0fa06f29b938e348fbd1

さて次はどこへロングライドしようかw?本格的なバイクのシーズンの幕開けを告げる一日ツーリングとなった。

おしまい

 

 

 

 

 

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