2017.08.20に開催された「やまなみ街道クライムライド2017」にイチロウと共に参加した。
どの大会に参加する場合、いつもそうなのだが、大会日が近づいてくると、当日の天候が気になり、ネットで長期天気予報を検索しヤキモキとした気分を味わうことになる。この度も大会2週間前あたりからネット上の「10日間天気予報」を毎日のように眺めていたのだが、当日の天気は5日前頃までは「曇り時々雨」となっており、降水確率が最高値で60%にまで上がった。雨天の中での自転車走行は危険であるため、当日が雨になるようであれば、参加をキャンセルするつもりでいた。
5日前になっても当日の予報は基本的には好転する気配がなかったため、予約しておいたビジネスホテルをキャンセルとした。宿泊をキャンセルするとなると、行動予定の自由度が増す訳で、無理に大会に出場することに拘らなくても良いかと思われ、念のために雨天時の場合の代替コースを他所に求める作業をした。天気図で見ると、太平洋高気圧の張り出しが弱く、日本海側には大陸性高気圧が居座って、二つの高気圧群の間に大陸から来る前線が西日本に移動してくるだろうという予想となっていたため、イチロウの提案で代替コースはなるべく南に求めようということになり、イチロウが愛媛県の山間部140㎞程度のコースを設定した。
結局のところ、天気予報は大会日が近づくにつれて変更されて2日前には開催地は曇り時々晴れ、降水確率20%となり、せっかく参加費も既に払っていることだからと、この大会に予定通り参加することに相成った。そうなれば、ホテルをキャンセルしたのは惜しかったと思われたのだが、スタート/ゴール地点の島根県飯南町は広島市内からクルマで2時間程度の距離であり、当日の受付が午前8時までであることから、朝6時に出発すれば十分に間に合うだろうということになった。
当日念のために午前5時30分にイチロウの自宅前で待ち合わせる。齢を重ねるにしたがって早起きが苦にならずw。同時刻に予定通りイチロウと彼の愛車を拾って、出発。中国道を経て三次からは国道54号線を使って島根県飯南町へ。当初所要時間を2時間程度とみていたが、途中の交通状況はスムーズで、スタートポイントの同町内の「道の駅 赤来高原」には午前7時過ぎに到着してしまった。
他の参加者はまばらであり、イチロウが自嘲気味に「何おっさん二人張り切ってんねん、と言われそうだな」と言い苦笑いを浮かべるが、全くその通りだったw。ゆっくりと、ジャージに着替えて、自転車をクルマから下ろし組み立て、準備が整ったところで、大会受付をし、更に手荷物を預けて、トイレを済ませたのだが、それでも出走前のブリーフィングまでは30分以上も時間が余り、仕方がないので、駐車場の縁のブロックに腰を下ろして他の参加者の様子を眺める。
時間が経つにつれて、少しずつ他の参加者がスタートポイント近くに集まってきたが、何れの参加者の日に焼けて引き締まった体型をしてなかなかの猛者ぶりを示しているように見えた。中には、身長190㎝以上で長いコンパスを持ったヨーロッパ系外国人が二人いて如何にも速そうであった。私が「流石に真夏のハードなコース設定に走ってやろうと出てくる奴は、みんな凄そうだな。みんな速いんだろうなあ」と隣にいるイチロウに小声で話すと、イチロウ、ややのんびりとした口調で「そうなんよ、マサキ。こんなところに出てくるヒト達はみんな速いの」「だから比べちゃいかんのよ・・・・」などと言っている。そんな事を言われたものだから、私の緊張感は更に増し気力が急激に萎えていくのだった。
更にはイチロウが「結構俺たちこの中じゃ、ベテランの部類なんだろう。ほれそこの白髪交じりのおっさん、年聴いてみたら案外俺たちとどっこいどっこいなんだろう」と目の前を自転車を引いて歩いている男性に私の注意を向けた。「ええ、そうっかなあ。どう見てもあちらさんの方が年上に見えるけどな」。イチロウ「あのね、俺たちも他の人が見たら十分におっさに見えているのだからな、その辺マサキも十分に自覚しろよ」だと。トホホ。
確かに、辺りにいる参加者を見ると、30代から40代が多く、50代以上に見えるヒトたちというのは少なかった。それと、大会の参加者は募集400名に対して、実際の参加者は200名強のようであり、それなりに自信のある人達が参加しているようだった。
“そうか、この大会に参加するのは無謀だったかなあ。”去年5月の石見グランドフォンドでの大惨敗の悪夢の再現になってしまうのか? そこまで悲観的な境地に陥ると、他の参加者が近県から集まった脚自慢の猛者のように益々見えてしまい、スタート前からモチベーションが萎えていくのであった。
そんな事を思いながら過ごしている間に、午前8時のブリーフィングとなった。大会運営の代表者からの挨拶に続き、飯南町町長の挨拶、国交省松江事務所長の挨拶があった。彼らのお話によると、高速道路の松江道が開通して以来、国道54号の交通量が減ってしまい、同国道沿いの地方公共団体としては危機感を抱いているから、こういったサイクリング大会を後援し、少しでも多くのお客さんに来てもらいたい、国交省の地方局も自転車が走行しやすいように専用の線を引いたりして協力するよとの事であった。“その話よーく分かりました。”
続いて、運営代表者から走行中の注意事項が発せられた。天候は良いだろうけれど、午後から気温が35℃前後まで上昇するだろうと思われる、ちょうど参加者にとっては後半の国道54号の坂道を上ってくる時間帯と重なるからな、前半無理して飛ばすなよ、後半の登り坂に向けて余力を残した走りをしろよ。各自途中で暑さ対策に気を配れよ、途中でしんどくなったら無理せずリタイヤを申し出るんだよ、などの説明がなされた。“了解~無理せんけんね。”
午前8時30分予定通りスタート。各自思い思いのポジションからスタートできるのであるが、私とイチロウは参加者の真ん中あたりでスタートを切った。事前よりイチロウからは、「この度のペース配分はマサキに任せたからさ」と言われていたので、私が前方に出てその後をイチロウが走行する隊形となった。
つづく
0 件のコメント:
コメントを投稿