この1年弱の間、登坂を始めるタイミングで、リア・ディレーラーでチェーンが外れる症状があり、気になっていた。さてこれから力を入れていこうという矢先にチェーンが外れてしまうと大いに気勢がそがれてしまい、自転車に乗る楽しさに水を差されたような気になるものだ。
症状の原因は、ディレーラーが後輪側(内側)に若干曲がっていることによるものと素人ながら察してがついていたのであるが、その調整判断はプロに委ねるしかないと思われ、更に色々考えていくうちに、現在のギアコンポを使って足掛け5年経ったのだから、そろそろ新しいコンポに組み替えて良いのではないかと思うようになった。
足掛け5年と言っても、ネットなどの情報を読むと、ひとつのギアコンポーネントは10,000㎞走行に耐えることが出来るようであり、己を振り返ってみるに、そこまで今のコンポを使いこんでいない。新しいコンポに組み替えるには勿体ない気がしないでもない。
これまで使用してきたコンポは、Shimano105なのだが、せっかく新しいコンポに組み替えるのであれば、同じ機種では芸がなく、いっそのことバージョンアップしてULTEGURAにしてはどうだろう?
ネット情報によると、昨年updateされたULTEGURAは、プロのインプレッションだと大変素晴らしく語られているものの、一般userの方々の意見によると「素人には105もULTEGURAも使用感においてその違いは分からない。両者の重量に大差もなく軽量化にも繋がらず、105をULTEGURAに変えたところで、別に速く走れるようになるわけではない。105からより高価なULTEGURA変える目的なぞ、他者に見栄を張ることくらいであろう」等の意見が述べられていた。
“ムムム、見栄を張るためだけに変えるのか……? ただなあ、オイラの場合見栄を張れる走り仲間がいないのよ。乗りバカ友と言えばイチロウしかいないのだが、彼は見栄張れる相手じゃないものなあw”
ULTEGURAにコンポへ組み替える走行上のメリットはなく、見栄を張る仲間がいないとなると、新しいコンポに変える理由が全く見つからなくなってしまった……w
……、有ったw! “新しモノ好き”。そうだった、私め、新しモノ好きだったw。道具に拘る方ではないのだけど、適度に新しいモノを欲しがるオトコだった。賢い消費者ではないことは重々承知しているのだけれど、そういう消費の仕方も許されよう。
ということで、8月のある日曜日にサイクリングを兼ねてスポーツサイクルショップウエキを訪れてコンポの組み換えを相談してみた。
私が店長のオニイサンに「私のようなド素人が、コンポをULTEGURAに組み替えるのは生意気ですかね?どうも素人には105との違いは分からないって言う話なんですけど?」と問うと、オニイサン「良いんじゃないですかねえ。大丈夫ですよ」「今店に部品も揃えてありますから、今からでも変えられますよ」等と妙に乗る気になってらっしゃる。「マサキさん、道具ドーピングって言葉もありますからね。脚力ない分、道具で補えるってことです」等と言い添えて。
“道具ドーピング”なる言葉は初めて聴いたし、多少引っ掛からない訳でもなかったが、実力は兎も角として、良い釣り竿やゴルフクラブなど良い道具を欲しがる素人オヤジが世の中にはどこにでもいる訳で、そういう類のオヤジのひとりとして私が認定されていること、その線において極端で分不相応な選択をしているのではなさそうだということが分って多少安心した部分もあった。この論理展開は滑稽なのは十分に承知しているけれどw。
店長のオニイサンにコンポの組み換えについて、細かい部品などの調整(と言っても、オニイサンの質問に対して全面的にプロに任せますと返答しただけだったけれど)と組み立ての日程を決めてその店を辞した。因みに、ULTEGURAは電動式Di2が人気で話題になっていたのだが、個人的には電動化に気持ち的な抵抗感があったのと、予算的な限界もあり、機械式のものを注文した。
9月9日にお店に自転車を持ち込んで、納車して貰ったのが9月16日であった。
事前にイチロウと試験走行を兼ねてそのお店から山口県下松市までの往復路約120㎞、旧山陽道を辿って走ろうという事になっていた。
その日、午前9時の開店直後にふたりしてお店に出向き、予定通りコンポ組み換えが終わった愛車を受け取ることが出来た。
自転車を受け取る際に、店長のオニイサンからは「ULTEGURAに変えられて一番の違いは、ブレーキが思った以上に良く効くから、気を付けて乗って下さい」と言われたのだけれど、実際に乗り始めてみると確かにブレーキが良く効く。それから、乗って初めてからすぐに気が付いたことなのだけれど、両脚の力がペダルを通してギアに余すところなく駆動力として伝わっているようであり走りやすく、ギアを変えてもかっちりと入ってくれて大変気持ちよく、このコンポへの信頼感・安心感が強まった。
また、上り坂ではその駆動力が発揮されて、ペダルを踏み込んだ力が、ギアに余すところなく伝わっているようで、グングンと登坂して行ける感覚があった。実際に105よりもギアを落とさずとも十分に登り坂を漕いで行けるようだった。
“全く……。違いがわからないといったヒトは誰だよう?。私のような素人オッサンでも十分に105とULTEGURAの違いが分かりました。”
それに付け加えるならば、120㎞走行し終えてみて、何時もに比べると疲労感が断然減ったような気がする。
十分に、ULTEGURAの良さを堪能することが出来た。後は、道具に見合う己の実力をあげて行くのみかw。
0 件のコメント:
コメントを投稿