2020年8月5日水曜日

吉備路~倉敷~児島~玉野への自転車旅(2)

海岸沿いの県道から、港前三叉路になった展望台に向かう山道に入る。かつて若い頃は、この山道を反対側から渋川海岸に抜けるショートカットとしてこの道を使った。勾配は普段は知っている山道と比べてもそれほどきつくなく、登坂には難渋しないものの、曲がりくねった見通しの悪いカーブが続き、走り屋の四輪やバイクとの遭遇に注意が必要だった。私が登坂の最中にも、背後から何台かのバイクがせまり追い越して行った。

 それにしても我が愛車のGiant MR4はロードバイクよりもギヤが高めに設定しているようで、スピードは出ないもののこのような曲がりくねった登坂道を軽々とペダルを廻すことが出来、良く出来たチャリだと思った。

 20分程度で展望台に到着。展望台の建物前にはバイクツーリングの人達が集まって談笑していたが、自転車乗りは皆無。ここはチャリで上るには手ごろな坂道なんだけどな。なんだかちょっと勿体ないような。

 

記念写真を撮るべくMR4を担いで展望台の階段を上がる。展望台には幸い他の観光客が居ず貸し切り状態。誰にも憚ることなく、展望台の手すりにMR4を立てかけて、瀬戸内海の大パノラマを背景に記念写真を撮影。生憎どんよりとした曇り空ではあったが、瀬戸大橋から対岸の丸亀まできれいに見渡せた。

 今回の主たる目的である「渋川海岸にチャリを持ち込む、そして王子が岳展望台までの坂道を上がる」は無事終了。瀬戸の大パノラマをバックに愛車の写真を撮ることが出来、ひとり大満足に浸る。

 しばらく、大パノラマの穏やかな瀬戸内の風景を楽しんだ後、出発。来た道を下り、渋川海岸に戻り、そこから玉野市宇野港に向けてペダルを踏む。途中数人のロードバイク乗りに遭遇し軽く会釈をするが、何人も挨拶返さず。“まったく…..、近頃のチャリ乗りは…….”kの人達、恐らく岡山市内からやって来られたのだろう。このような平坦で交通量の少なく乗っていて気持ちの良いコースを持っている地元のチャリ乗りが羨ましい。我が地元ではこうはいかないものーどこかへ行こうとすると、必ず山坂道が立ちはだかる。平坦な道は交通量が多くて危なっかしい。

 なんてことを頭の中で呟きながら、先を急ぐでもなくMR4のペースで宇野港を目指した。

 宇野港は、瀬戸大橋・瀬戸中央道の開通と共に、四国へのアクセスポイントとしての歴史的役割を終えた。今では芸術の島・直島行きフェリーを利用する客の方が多いのではないか?


私が宇野港に到着した時には、港は閑散としておりのんびりとした空気が漂っていた。宇野港に着いたものの何もすることがなかったので、嫁が出かける際に袋に押し込んでいたミックスナッツを取り出して栄養補給にボリボリと咬んだ。塩味が効いたミックスナッツで美味しかった。嫁と義母は、総社市内の花屋に出かけているとのメッセージがLineに入っていた。“これからは、嫁の里帰りに付き合う時は、MR4を持ってきちゃおう。岡山県内をちょこちょこと走るべ……

 “さて宇野港からどうやって帰るべ”スマホのマップを取り出して帰り道を探索。国道30号線を岡山に向かい、適当なところで茶屋町方面を曲がり岡山児島線に入りたいと思った。そうするべく宇野港から国道30号線に合流するJR宇野線に沿った県道22号を走り、田井地区で国道30号線に入った。後はしばらく国道30号線を岡山市方面へ。このあたりから交通量が増えたため、広い歩道があれば積極的に歩道を走る。

 この道、学生時代には渋川海岸からの帰りや、就職後しばらくは仕事の都合でよく使った。特に岡山方面への帰路、眼前に広がる岡山平野・水田地帯の眺めが伸びやかで素晴らしく、本当に好きな道だった。特に倉敷川の橋を渡る頃、目の前に碁盤の目のように用水路が張り巡らされた水田地帯が視界に広がり、思わず頭の中でスメタナ作曲「My Country」が流れだしたものだった。

 

倉敷川は、朝立ち寄った倉敷美観地区を源流としている、倉敷市街地を走る間は大きな用水路程度なのに、児島湖に注ぎ込む直前のこのあたりでは立派な川となっている。川岸にはうっそうとした葦が茂り、ゆったりとした流れを見せている。

 

この川を渡る橋に着くと、しっかりとこの辺りの風景を確認したくなり、自転車を止めてしばらく四方を見渡した。辺りの水田では水が引き入れられ田植えが行われているようであり、遠目にトラクターが何台か動いているのが見えた。“素晴らしい~” ぼんやりと左手の水田地帯や右手の児島湖方面を見渡していると、ふと眼下の倉敷川の水面にバシャンという音共に波の輪が広がった。“雷魚か、それとも鯉か….? ” 

 少しずつ気分が高揚し楽しくなり、国道30号から右手に広がる水田地帯の中を走りたくなった。橋を渡り、右手の農道に入り茶屋町・早島地区へ抜けるべく自転車を走らせた。しばらく径を適当に曲がりながらやがてはば56m幅の用水路に沿った直線の農道を走った。先にはいくつもの横切る小路があり、適当に右折と左折を繰り返していると次第に迷路に嵌ったようになった。国道30号線の右手に目指す早島地区がある筈なのだが、碁盤の目のように張り巡らされた用水路と脇の径が必ずしも30号と直角に交わっている訳ではないことが走っている間に気が付いたのだが、気が付いた頃には目的地の早島地区に抜ける径を通り過ぎたようだった。それでも心は軽やかだった。水田地帯を走っていると、あちこちで雲雀の囀りやカエルの啼ぎ声が聴こえて来て、ヒトや水田地帯に棲む生物たちの生の営みにも夏に向かって盛り上がっているようで、そうした生の営みから私自身もエネルギーを貰っているようでとても愉快で堪らなかった。

 

最近、なかなか自転車ツーリングに出かけることが出来なかった。あまり事前の準備が出来ぬままやってきた今回のツーリングだったが、想像以上に楽しいものになった。

 結局のところ、私と愛車は水田地帯で迷子になりかけて、国道30号線が岡山市街地に入る手前で、この道路に合流。見覚えのある岡山市街路をポタリングしながら妻の実家に戻ったのであった。

 

出発時間am7;00 帰着時間pm 1;40頃、走行距離94㎞強。ごちそうさまでした。

(おわり)


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