2019年12月29日日曜日

2019年 年の瀬に

1122日から同月24日の高校同窓会を大いに楽しませて貰った後、いよいよ2019年末に向かって、最後の気合を入れる。12月某日に毎年恒例の職場への行政によるスーパービジョンがあって、11月末から12月中旬に向かってルーチン業務をこなしながら、その準備に力を注いだ。その甲斐あってか、普段の行いが良かったのか、スーパービジョンそのものは、幸いなことに大過なく終わりほっと胸を撫でおろす。


毎年スーパービジョンが終わるとその後は、ひたすら年末の仕事納めに向かってルーチン業務をこなしていくのだけれど、何故かこの時期文書の整理や諸々の雑務が舞い込んできて忙しくなり、そういう時に限ってトラブルが生じてそのトラブルシューティングに追われることになる。すべては年末・御用納めなどと時間を区切られるものだから、世の中もそれに向かって動いているし、職場内もそれに応じて慌ただしくなって、内も外もバタバタしてしまう。



個人的には、年末年始という時間の区切りがなければと思うのだが、そんなことをぼやいても仕方がない。


毎年そのような感じで慌ただしく年末に向かって過ごしているものだから、この師走も心の何処かで緊張感を抱きつつ過ごしていたのであるが、一方で例年に比べると暖かい天候のせいだったのか、それとも大きなトラブルもなかったせいか、はたまた昨年までの受験期の子どもに対するモヤモヤした気分を味わう必要がなくなったせいか、あまり冬・年の瀬を実感せずに過ごした。

12月の行事といえば忘年会なのだけれど、仕事関係の忘年会を2つこなした後、個人的な会を2件ほど行った。





ひとつは、親友でもあり職場の同僚となって久しいイチロウとの食事会だった。この頃は二人で外食を共にする機会がめっきりとなくなってしまっていた。いつの頃からか失念したのだが、彼は酒を飲まないので私が呑みに誘っても「面倒くさいな」と言い断るようになりそれで私も遠慮して誘わなくなったのであるが、次第に私自身もいつの間にか外呑み自体が面倒くさくなってしまってい、この23年は仕事上の付き合い以外は夜の街に出なくなっている。結局のところ私も齢を取ってしまったということなのだろう。




この度は、珍しく彼から飯を食べに行こうという誘いがあり、1223日に忘年会と称して外食を共にした。場所は、広島市中区にある「県民酒場」という居酒屋さん。広島県内の名物料理を提供してくれるお店で、県外からのビジネスで訪れるヒトを連れて行くには良いところだと思った。瀬戸内の魚の刺身や「がんす」「でべら」「ワニのフライ」「カキのフライ」「ホルモン天ぷら」等々の広島県各所の名物料理が供される。



彼は、ノンアルコールビールを注文、彼は「どうして身体に害毒があることが分っているアルコールが許されるのか?」というごもっともな意見を開陳し、それを受けて私は「全くその通りだ!」「そのうちタバコと同じようにどこかのNGOとかが禁酒運動を始めるよ」などと調子の良いことを言いつつ、彼の目の前で生ビールに手始めに地元銘柄の美味しいお酒を次々と注文した。


今年は、我々にとってちょっとした人生のひとつの節目を迎えた。夫々に子どもが大学に進学し親元を離れ、子育てがひと段落ついたと同時に夫婦二人暮らしとなった。最近の彼との雑談の主題になるのは、「子育てという役割が終わりつつある年頃となり、これからどんなふうに過ごしていくか」ということが多くなった。その度に結論めいたものは出ないのだけれど、その主題の背景には、少しずつジジイ化していく自分とどのように向き合うか・付き合っていくか?あるように思えるだが、そんなもの直ぐに良いアイデアを見出せるものではない。




同夜の彼は、「本来人付き合いの苦手な俺が、ヒト相手の商売をしているのが、今更ながらに矛盾を感じてしまうんだよ」などと話していたのだが、突然「俺は、もう同窓会には出ないと宣言したからな」と言い出した。私が思わず吹き出して、「おいおい、いつそんな宣言を誰に向かってしたんだよ」と応じたところ、彼曰く「今おまえさんにだよ。お前さんからみんなに広報すれば良いんだよ」という。〝ハイハイ官房長官だからね“ 同級生の幾人かはこのブログで知らせることになるだろうw


彼は幼き頃から昆虫好きで魚類好きの生物学大好き少年で、確かにそのまま生物学に進み、どこかの研究室で人生の大半を過ごせば幸せになっていただろうことは十分に共感出来るのだが、人生という営みにおいてそうはさせて貰えなかった。だからといって、それを彼は後悔していない筈で、全て納得済みで節目節目を乗り越えきたとのことだった。そう私と違い彼は、確信的実行者なのです。そうなると、今後の展開としては、養老孟司さんのように少し早めに今の仕事を引退し、自宅に小さな作業室を作って、昆虫の標本や水槽に囲まれて顕微鏡を眺めてはニンマリしつつ、何事かを書いているのが、彼らしい年の取り方のような気がする。


一方で私は、若い頃からそうであったように、大した趣味も持てず、目の前に現れる生活上の諸々出来事をその都度悩みながら過ごしていくことになるのだろうと思う。先月の同窓会に出て改めて十分に理解出来たことは、私は趣味のように物事に悩み、それなりに人生の節目を乗り越えてきたのだということだった。そう理解出来ると、なんだかすこし心が軽くなってい、これからの老いに向かう人生も楽しめそうな気がした(悩みながらw)。

年を越すと、ふたりともひとつ齢を拾って50代半ばに達する。つい最近50歳を迎えて、年を取ったと嘆息していたのに、あっという間に初老という声が聞こえるところまで来た。

私には、こんなくだけた語調で駄文を書いているという事実をして、暦年齢とは違う若く軽やかな気分が残っているのだという気分を確認しておきたいと思う。同夜は、イチロウが繰り出す話題を聴きながら、〝お互いに年は拾ってきたが、こうやって語らうことが出来る間は、気分的には年を取らなくても済みそうだな“と思えたのだった。


ふたつ目は、1225日に職場の税務・経理で長年お世話になっている会社の社長・ヒガシダさんとの会食。ここ数年私が彼に対する一年のお礼のつもりで12月末に食事会にお誘いしている。この度は、広島西区にある蕎麦屋「横川橋康次郎」さんにて食事会を催した。このお店は、そば懐石コースを用意してくれてい、蕎麦好き呑兵衛のオッサン共にとってはしっくりと来るシチュエーション。靴を脱いで畳部屋の個室に案内されてたのだけれど、ゆっくりと相手とお酒を酌み交わすなんざ、「忘年会」らしく個人的には大変好むスタイルなのだけれど、最早このような呑みのシーンは完全にold fashionなんだろうな。接待文化も廃れたし、今の若いヒトは、カラオケボックスに飲食物を持ち込んで忘年会を開く者が多いと聞く。おまけに若いヒトのアルコール離れも進んでいるというし。ああ、座敷で私と一緒に呑んでくれるヒトは、ヒガシダさんくらいになったのかもしれない(ああ、昭和世代なんだねw)。


ヒガシダさんは、お互いの職場の先代同士からの付き合いで、仕事上のことから家庭内の事情までよく把握してくれていて、公私ともに相談できる大変有難い人物であり、私にとっては職業上の取引以上に信頼の寄せている貴重な存在である。色々と雑談めいた相談をすると、世間知に富んだ助言を返してくださり、そして最後に「マサキさん、頑張るっきゃないですよ」「好きに生きたら良いんですよ」などとそっと背中を押してくれるようなセリフで締めくくられる。


彼の決まり文句は「儲けないとダメです、世の中は所詮金で回っているんですから」なのに、実際の行動では人情味ある物言いや他者への面倒見の良さが目立つ。お金関係以上に人間関係を大切にされているところがあり、私自身もこれまでにもプライベートな部分でも随分お世話になった。


同夜は、ふたりで少しずつ出される小皿の品をおつまみ代わりに、ぬる燗にしたお酒をチビチビと6合ほど飲んだか。お互いに程よく酔いが回って、いつも以上にくだけた雰囲気となり、これまで遠慮して彼のプライベートなことをお聞きしたことがなかったのであるが、酔いに任せて彼のプライベート生活も話の流れで尋ねてみた。かなり多忙な仕事生活を送って来られて来たのは承知していたが、そのせいか途中夫婦関係はぎくしゃくしたような内容だった。だからといって、家庭生活が破綻した訳ではない様子なので、あくまでも仕事人間にありがちな範囲内であり、奥様の住む自宅から職場に通われているとのこと(なんか変な表現w)。最後に「マサキさん、オンナは怖いですよう~」「よく考えて、これからの事を考えてくださいよ~」だったw。


私としても「うちは大丈夫です!」と言い切る自信はなくw、笑顔を浮かべて「そうですよね」と応じる他なかったのであるが、確かに我が家の場合、今後どのような夫婦関係になっていくのが良いものか、私の中にも明確な形が出来ないでいる。家内は県外出身で、もう数年すると本格的な親の介護について考えなくてはいけなくなるだろう。その時に彼女自身がどうしたいのか、これまで話し合ってこなかった。彼女のことだから、しっかりと親の面倒を看なければ気が済まないだろうことは容易に想像出来る。そう云う状況になれば、私も自立したジジイになることを覚悟しないといけないだろうな。


帰りのタクシーの中で、〝そうか、オイラのこれからのkey wordは「自立したジジイ」だな“と思い定めたら、なんだか愉快になってきて帰宅したら、嫁に報告してやろうと思った。







それなのに……w ニコニコとしながら「ただいま」とリビングに入ったものの、家内の野郎、「なんで、電話をかけないんだ。最寄りの駅まで迎えに行ってあげるって言ったでしょ!」「酔っぱらっているんだから、さっさと風呂に入って寝なさい!」だってさ。

全くもう!噛み合わないねえw 



自分は取りあえず自立したジジイを目指すにせよ、今後の夫婦関係なんて成り行き次第で出たとこ勝負なんだよな……。と独り嘆息しつつ深い眠りにつくマサキであった。














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